ホーム >> ニュース、出版物など >> ニューズレター

ニューズレター

搜尋

  • 年度搜尋:
  • 專業領域:
  • 時間區間:
    ~
  • 關鍵字:

専利請求項に係る訂正が不適法であるとして無効審判請求が成立した場合の法的効果



 専利権(専利:特許、実用新案、意匠を含む)が登録公告された後、専利権者は、専利法第67条に基づき、智慧財産局(台湾の知的財産権主務官庁。日本の特許庁に相当。以下「智慧局」という)に対し、専利明細書、専利請求の範囲又は図面の訂正を請求することができる。訂正は、原則として、出願時の明細書、専利請求の範囲又は図面に開示された範囲を超えてはならず、また、公告時の専利請求の範囲を実質的に拡大又は変更してもならない。同法第68条第3項は、訂正が智慧局の審査を経て認められ、公告された後、出願日に遡って発効すると規定している。また、智慧局による訂正成立の決定について、専利法にも「無効審判」という公衆審理制度が設けられており、何人も訂正が適法でないと考えた場合、同法第71条に基づき、智慧局に無効審判を請求することができる(訂正不適法を理由とする無効審判請求、以下「訂正無効審判」という)。また、同法第82条第1項によれば、専利権につき、無効審判が請求され、審理の結果、無効審判が成立した場合、「その専利権は取消しなければならない」とされ、さらに第3項では、専利権の取消しが確定した場合、専利権の効力は初めから存在しなかったものとみなす。

 

言い換えれば、「訂正無効審判」の結果は、専利権の取消しであって、「訂正を認める」旨の行政処分の取消しにとどまらない。当該専利権の取消しが確定すれば、専利権の効力は初めから存在しなかったものとみなされる。「訂正無効審判」の結果は専利権の取消しにつながるため、裁判所は、その審決結果が確定する前に訴訟係属中に、当該専利権に関連する他の訴訟手続にどのように対処すべきか。知的財産及び商業裁判所(以下「IPCC」という)は、2025327日付111年(西暦2022年)度行専訴字第37号判決において、この点について見解を示している。

 

本件において、原告は、係争実用新案請求項15は、従来技術文献(引証)により開示されているため新規性がない、として、智慧局に無効審判を請求したところ、同局は無効審判請求不成立の審決(維持審決)を下したため、原告は訴願を経てIPCCに本件行政訴訟(すなわち111年(西暦2022年)度行専訴字第37号行政訴訟)を提起した。しかし、本件行政訴訟中に、実用新案権者は別途智慧局に係争実用新案請求項1の訂正を請求し、同局はこれを認めた。本件原告は、この訂正は不適法であるとし、智慧局に訂正無効審判を請求したところ、同局は無効審判請求不成立の審決を下したが、IPCCは、その後の行政訴訟において、その訂正が不適法であると判断し、113年(西暦2024年)行専訴字第16号の義務付け判決を下し、智慧局に対し請求項1の実用新案権を取り消すよう命じた。その後、智慧局、202516日、「請求項1について無効審判請求が成立し、取り消すべき」旨の審決を下した(筆者注:経済部の訴願検索システムを確認したところ、実用新案権者は訴願を提出していないようである)。

 

上記「訂正効審判事件」の訴願段階において、IPCCは、本件すなわち111年(西暦2022年)度行専訴字第37号行政訴訟手続き停止の裁定を下し、当該訂正無効審判が確定した後、裁定により審理を続行した。この時点で、係争実用新案請求項1は「訂正無効審判」の結果によりすでに取り消されていたため、その後の111年(西暦2022年)度行専訴字第37号行政訴訟の審理をどのように進めるべきかについて、裁判所の見解が分かれた。

 

智慧局は、係争実用新案の訂正後の請求項1は、同局により、113年(西暦2024年)度行専訴字第16号行政判決の結果に基づき無効審判請求成立の審決がなされ、取り消されたが、その訂正の効力は依然として有効であるため、本件は訂正後の請求項に基づいて審理されるべきであると主張した。

 

しかし、IPCCはこの主張を採用しなかった。裁判所は、111年(西暦2022年)度行専訴字第37号行政判決において、係争実用新案請求項1の訂正は適法でなく、専利法第68条第3項に基づき遡及して訂正の効力を生ずることはできないため、裁判所は、係争実用新案の範囲を審理する際、依然として訂正前の請求項15の内容を基準とすべきであると述べた。また、「訂正無効審判」の請求項1は訂正が認められた後の内容であり、それは訂正前の本件係争実用新案請求項1の内容と同じではないため、両訴訟に係る事実は同一ではなく、訴訟対象も異なることから、裁判所はやはり訂正前の請求項1に基づいて審理して判断を下すべきである。IPCCは、最終的に、原告が提出した引用文献(引証)により、係争実用新案請求項15がいずれも新規性を有しないことを証明できるとして、智慧局による無効審判請求不成立の処分を取り消しし、智慧局に対し「請求項15について無効審判請求が成立し、取り消すべき」との処分を下すよう命じる判決を下した。

 

以上のように、専利法は「訂正不適法」に対する公衆審査制度として「無効審判」を規定しており、無効審判成立(無効審決)の効果は「訂正を認める」処分の取消しではなく、「専利権の取消し」であることを明確に規定した。この立法方針は、専利権の範囲の度重なる変動から生じるさらなる不確定性を回避することを目的としていると推測される。本件111年(西暦2022年)度行専訴字第37号行政訴訟における智慧局の主張を見ると、訂正が認められる処分が訂正無効審判の成立により取り消されたわけではないため、訂正の効力は依然として存在することを根拠とし、本件の審理対象は訂正後の請求項であるべきと主張しているように思われる。しかし、IPCCは、訂正の効力はもはや存在しないため、本件は訂正前の請求項に基づいて審理されるべきであるとし、専利法の上記規範とは異なる見解を示しているようである。また、上記111年(西暦2022年)度行専訴字第37号行政判決の理由では、請求項1に係る実用新案権は、訂正無効審判の成立により取り消されたため、本件においても請求項1の権利の有効性を判断する必要があるか否かについては触れられていない。今後、智慧局とIPCCがこの問題に対する見解を維持するかどうかが注目される。

回上一頁