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最高行政裁判所が商標の類否判断原則を判示



商標法第30条第1項第10号は、「商標が次の各号のいずれかに該当するときは、商標登録を受けることができない。……十、同一又は類似の商品又は役務について、他人の登録商標又は先に出願された商標と同一又は類似であり、関連する消費者に誤認混同を生じさせるおそれがあるもの。ただし、該登録商標又は先に出願された商標の所有者が出願に同意し、かつ、明らかに不当でないものは、この限りでない。」と規定している。「関連する消費者に誤認混同を生じさせるおそれがあるもの」とは、商標が関連する消費者に、それが表彰する商品の出所や生産の主体について誤認混同を生じさせるおそれがあることを指し、すなわち、商標が消費者に与える印象が、関連する消費者に異なる出所に由来する商品又は役務を同一出所に由来するものと誤認混同させたり、両商標の使用者の間に関係企業、使用許諾関係、加盟関係又はその他の類似関係があると誤認させたりする可能性があるということである。また、「誤認混同のおそれの審査基準」により、両商標の間に誤認混同のおそれがあるか否かを判断する際に、1.商標識別性の強弱2.商標の類否及びその類似の程度、3.商品・役務の類否及びその類似の程度、4.先権利者による多角化経営の状況、5.実際の誤認混同の状況6.関連消費者の各商標に対する熟知度7.争商標の出願人が善意であるか否か8.その他誤認混同の要素などから、関連する消費者に誤認混同を生じさせるおそれがあるかどうかを総合的に判断しなければならない。
 
商標法第30条第1項第10号は、「同一又は類似の商標」、「同一又は類似の商品又は役務」、「関連する消費者に誤認混同を生じさせるおそれがある」という構成要件を規定しいる。誤認混同のおそれを判断する主な要素は「商標の類否及びその類似の程度」及び「商品・役務の類否及びその類似の程度」であり、「先権利者による多角化経営の状況」、「係争商標の出願人が善意であるか否か」、「実際の誤認混同の有無」は、いずれも誤認混同のおそれを判断する補助的な要素である。そのため、係争商標が関連する消費者に誤認混同を生じさせるおそれがあるかどうかについては、依然として各要素を考慮して総合的に判断しなければならない。また、各参酌要素の間には相互作用の関係を有しており、原則として、そのうちのある要素が特に合致する場合は、その他の要素に対する要求を引き下げることができるはずである。
 
最高行政裁判所は、110年(西暦2021年)度上字第564号判決で、具体的な商標登録異議申立事件に関する行政訴訟の上告事件に対して、商標の類否判断原則を明らかにした。同裁判所は、商標の類否とその類似の程度の判断は、商標図案全体を観察すべきで、つまり、商品又は役務の消費者の目の前に現れた図案全体を観察しなければならないとの見解を示した。しかし、全体観察の原則のほかに、尚も主要部分(要部)観察というものがある。これは、商標は全体として表示されているが、商品又は役務の消費者がその出所識別標識として比較的注意を払うか、事後にその印象に残るものは、商標図案の顕著な部分となり、この顕著な部分は要部に属する。要部観察と全体観察は互いに対立するものではなく、要部は、依然として最終的に商品又は役務の消費者に与える商標の全体的印象に影響するものである。
 
最高行政裁判所は、この具体的な事件について、原判決の判断を支持し、以下のような見解を示した。係争商標は、緑色の背景の長方形に大文字のアルファベット「GIOVANNI VALENTINO」からなり、引用商標は、デザインされた小文字のアルファベット「giovanni」からなるものであり、どちらも「GIOVANNI」又は「giovanni」で始まり、アルファベットの大文字と小文字の僅かな違いだけで、かつ、当該外国語はイタリア語の人名で、外観、呼称及び観念上に類似するところがあり、通常の知識経験を有する消費者が、購入時に通常の注意を払ったり、取引時に一連に称呼したりする際に、両者が同一の出所に由来するものである、又は同一出所ではないが関連する出所に由来するものと誤認する可能性があることから、両者の類似程度は低くはない。
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