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パテントリンケージ侵害訴訟における請求権の発生根拠を明確化するための専利法第60条の1の法改正が施行



台湾薬事法は2018131日に、パテントリンケージ(patent linkage、特許連携)制度を導入するために改正され、2019820日に本格的に施行された。同法第48条の3の規定により、新薬(先発医薬品)の医薬品許可証の所持者は、医薬品許可証の受領後、当該医薬品に係る特許情報を衛生福利部食品薬物管理署(日本の厚生労働省医薬食品局に相当、以下「TFDA」という)申告しなければならない。その後、他の製薬会社がジェネリック医薬品(後発医薬品)の医薬品許可証を申請するとき、同法第48条の91項第4号により、「当該新薬に対応する特許権を侵害していない」又は「当該新薬に対応する特許権は取り消されるべきである」との申告(いわゆるパラグラフ申告、P4申告)を行った場合、新薬の医薬品許可証の所持者は上述の申告に係る通知を受け取った日の翌日から45日以内に権利侵害訴訟を提起するとともに、TFDAに通知しなければならない。この場合、権利者と被疑侵害者とが侵害紛争を解決できるように、TFDA上述の訴訟提起の通知を受けた12ヶ月以内に、ジェネリック医薬品の医薬品許可証の発行を一時停止しなければならない。しかし、専利法(日本の特許法、実用新案法、意匠法に相当)では、パテントリンケージ制度における請求権の発生根拠(基礎)についての特別の規定が設けられていないため、被告がジェネリック医薬品の医薬品許可証を申請する行為は特許侵害行為に該当せず、特許権者が訴訟を起こす法的根拠はない、と主張した事例がいくつかある。

 

パテントリンケージ制度における侵害訴訟の請求権の発生根拠を明確化するため、行政院(日本の内閣に相当)は2022224日、第3791回閣僚会議で「専利法第60条の1改正案」を決定し、特許権者はP4申告を受けた後、専利法第96条第1項の規定に基づき侵害の排除又は防止を請求できると明らかに規定した。

 

また、当該条文では、ジェネリック医薬品の薬品許可証の申請者は、新薬の特許権者が所定の期間内に特許権侵害訴訟を提起しない場合、その医薬品が特許権侵害に該当するか否かについて、確認訴訟を提起できる旨も併せて規定された。これにより、ジェネリック医薬品の薬品許可証の申請者は、不安定な法的状態を解消するために、より早く裁判所の判決を得るための行動をとることができるようになる。

 

前述した専利法第60条の1の法改正は、2022415日に立法院(日本の国会に相当)で可決され、202254日に公布済みで、202271日から施行された。

 

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