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知的財産及び商業裁判所、eコマース事業者が出店者による商標権侵害に責任を負うかどうかの判断基準を判示



 eコマース(電子商取引、ECプラットフォーム事業者(以下「eコマース事業者」という)が、プラットフォーム上での出店者による商標権侵害品の販売行為について、商標法及び民法の規定に基づき、出店者と連帯して賠償責任を負うべきか、それともeコマース事業者自身が既に商標法に違反し、単独で権利侵害の責任を負うべきかが、実務上重要な問題となっている。知的財産及び商業裁判所は、110年(西暦2021年)度民商訴字第8号民事判決で、具体的な権利侵害民事事件における損害賠償に対して判断基準を示した。

 

同裁判所は、まず民法の関連規定を引用し、以下のような見解を示した。民法第185条には、「数人が共同で不法に他人の権利を侵害したときは、連帯して損害賠償責任を負う。共同行為者のうち、いずれがその加害者であるのか知ることができないときも、同様とする。教唆した者及び幇助した者は、共同行為者とみなす」と明確に規定されている。共同不法行為が成立するためには、同一の損害について、数人の間に、主観的意思連絡又は客観的行為の関連共同が必要とされる。そのうち、客観的行為の関連共同については、各行為者のいずれもが不法行為の要件を満たして初めて成立する(最高裁判所109年度台上字第2367号民事判決趣旨を参照)。また、過失とは、注意すべきであって、かつ注意することができたにもかかわらず注意しなかったこと、すなわち注意義務を怠ったことを指す。不法行為の過失は、抽象的軽過失、すなわち善良な管理者の注意義務を怠ったことを指す。行為者が善良な管理者の注意義務を尽くしたか否かは、事件の特性に応じてそれぞれ考慮すべきものであり、行為者の職業、危害の重大性、被害法益の大小軽重、危害予防の代価などにより異なるものとなる(最高裁判所93年(西暦2004年)度台上字第851号民事判決趣旨を参照)。

 

同裁判所は、オンラインショップのマーケティングの現状をさらに以下のように説明している。モバイル通信とネットワーク技術の急速な発展により、取引形態は従来の実店舗、通信販売、ダイレクトマーケティング、テレビショッピングからeコマースビジネスモデルに発展してきた。一般的に、eコマースビジネスモデルは大きく4つに分類される。1Consumer to ConsumerC2C22Business to Business to CustomerB2B2C3Business to CustomerB2C4Business to BusinessB2B。つまり、C2C(消費者間取引)とは、eコマース事業者がプラットフォームや取引サービスを提供し、データを管理することで、取引成立時に手数料を徴収したり、広告料金を出店者に請求したりする、消費者と出店者の直接取引である。B2B2Cとは、サプライヤーが商品を供給し、eコマース事業者が提供するプラットフォームやサービスを通じて商品を消費者に直接販売し、eコマース事業者が取扱手数料や広告料などを受け取るものを指す。B2C企業対消費者間取引)とは、企業が消費者と直接取引するビジネスモデルのことで、つまり、サプライヤーが製品を企業に提供し、企業は、サプライヤーの商品を消費者に展示し消費者に販売した後、サプライヤーは企業と収益を分配する形で、企業と共同で商品を販売することを指す。B2B企業間取引)とは、企業間の取引プラットフォームのことで、インターネットの出現により、企業が川上・川下とつながり、情報交換がより便利になり、サプライチェーンがより統合され、取引モデルもより便利で透明性の高いものになっており、B2BECプラットフォームを通じて、企業はより簡単かつ安定的に川上と川下の商品を見つけることができる。

 

上述した取引形態から、同裁判所は、eコマース事業者は、直接侵害者による商標権侵害品の販売行為について、連帯して損害賠償責任を負うべきかどうかは、eコマースの取引形態、販売への関与の程度、損害発生の予見可能性又は結果回避可能性の注意の程度などにより、その注意義務違反の有無を判断すべきと結論付けている。

 

 同裁判所は、事実や証拠を斟酌して、以下のような判断を下した。一部のeコマース事業者と出店者の取引形態はB2B2Cであり、一部のeコマース事業者と出店者の取引形態はC2Cであるが、これらのeコマース事業者はいずれも出店者と消費者との間の販売行為に介入しておらず、出店者が掲載した商品ページにも介入・関与していないため、出店者の商品ページを閲覧しただけでは、他人の商標権を侵害しているかどうかを客観的に判断することは困難であり、かつ、第三者の知的財産権を侵害する侵害品を掲載・販売しないよう出店者に明確に告知し、損害の発生や拡大といったあらゆる状況を防ぐために、権利者に通報の仕組みを提供していることから、これらのeコマース事業者はその注意義務を尽くしたと認定するに足り、商標権侵害についての故意又は過失があると言い難いとして、当該eコマース事業者は出店者と連帯して損害賠償責任を負う必要はない。

 

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