ニューズレター
お知らせ:(台湾特許実務)グリーン特許出願のファストトラック審査について
お知らせ:(台湾特許実務)グリーン特許出願のファストトラック審査について
台湾特許庁は、特許出願の審査を促進し出願人が早期に権利を得ることができるように、「特許審査ハイウエイ(以下、PPHと略します)」のほかにも「特許出願加速審査(以下、AEPと略します)」と呼ばれる独自の制度を2009年1月より実施してきました。AEP申請が可能な対象は、PPHよりも広く、以下の申請事由1~4のいずれかを満たせば、申請することができます。
1. 対応外国出願が当該国の特許庁の審査を経てすでに特許査定されたもの
2. 対応外国出願に対し米国、日本、欧州特許庁から拒絶理由通知書及び調査報告が発せられたが、まだ査定されていないもの
3. 業としてその実施が必要であるもの(政府手数料台湾ドル4,000元が必要)
4. グリーン・エネルギー技術関連の発明(政府手数料台湾ドル4,000元が必要)
全世界で「2050年ネットゼロ(カーボンニュートラル)」を目指した取り組みが行われてる中、台湾特許庁は、世界の趨勢に足並みを揃えるとともに、グリーン技術の開発者たちのさらなる研究開発を後押しすることができるよう、AEPの事由4を改定し、2022年1月1日より施行しました。これにより、グリーン技術のイノベーションを一層向上させ、環境の持続可能な発展と経済成長を両立させることを目指しています。その改定要点は以下のとおりです。
一、利用可能な技術分野の拡大
事由4を「グリーン・エネルギー技術関連の発明」から「グリーン技術関連の発明」に修正し、発明がグリーン・エネルギー技術関連に限られないことを明確にしました。次のグリーン技術に該当する発明であれば、申請ができるようになりました。
(1) 省エネ技術、新エネルギー技術、新エネルギー車技術等の技術分野の特許出願
(2) 低炭素化技術、省資源技術の技術分野の特許出願
二、審査期間の短縮
必要書類を提出してから審査結果(初回の通知書又は査定書)が出るまでの所定期間が、以前の9か月(ただし、実績では平均約75日で初回の通知書又は査定書が発行されていたとのことです)から、6か月に短縮されました。
本改定により、AEP申請事由4を利用可能な発明の対象が大幅に拡大され、省エネ技術以外のグリーン技術関連発明も早期に権利を得ることが可能となりました。環境にやさしい技術の新たな創出と、よりスムーズなグリーン特許戦略の構築が期待できるようになりました。