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商品標示法の改正案について



商品標示法の改正案について

 

近年、情報技術の急速な発展に伴い、ネットショッピングが消費者の主な商品購入手段の1つとなり、また電子的な表示方法も消費者の日常生活の一部となっています。このような環境の変化に対応し、かつ消費者の知る権利を保護するために、「商品標示法」の改正案が策定され、20204月に公示されました。

今回の改正案のポイントは以下のとおりです。

 

一、インターネット販売の商品に本法が適用されることを明確化(改正後第2条)

 

従来より本法の規定はインターネット販売にも適用されると解釈されてきましたが、この点を事業者及び消費者に明確に知らせるため、インターネットで販売する商品にも本法規定が適用される旨明記されました(第2条第2項)。

 

二、本法の適用除外商品を明記(改正後第3条)

 

商品の性質及び取引慣行に鑑み、中古品、宝飾品や骨董品、書籍など、及びその他の中央所轄官庁により公告された商品について、本法の適用が免除される旨規定されました。

 

三、表示義務者に小分け業者を追加(改正後第5条)

 

改正案では、表示義務者に小分け業者が追加され、商品の製造業者、製造を委託した事業者、輸入業者及び小分け業者は、商品を販売し、又は販売を意図して陳列する際、商品表示を行わなければならない旨規定されました。

 

四、表示が必要な事項の見直し、及び変更時の対処方法の追加(改正後第6条)

 

6条第1項各号は、商品への表示が必要な事項について、実際の状況に応じて適用できるよう、より詳細な規定となりました。

 

加工製造を委託している場合は、製造業者ではなく、製造を委託した事業者の名称、所在地及び電話番号等の情報を表示することとなりました。また、輸入商品の場合は、輸入業者、販売代理店又は国内で責任を負う事業者の名称、所在地及び電話番号の表示のみが必要となり、外国製造業者に関する情報を表示する必要はなくなりました。一方、商品を小分けして販売する場合は、小分け業者の情報を表示することになりました(第2号)。

 

また、本号の表示事項について、表示を付した後に変更があったものの、商品が既に市場で販売又は販売のため陳列されている場合、当該表示を変更しなくてもよいものの、公開の方法によって消費者へ当該変更を知らせなければならないと規定されました(第6条第2項)。公開の方法としては例えば会社のウェブサイトで知らせることが想定されています。

 

製造日については、諸外国で様々な表示方法が採用されていることを考慮し、西暦又は中華民国暦の年、月のみを表示すればよいこととなりました(第6条第1項第6号)。

 

ただし、第7号は、「その他所轄官庁が公告した事項」の表示を義務付けており、所轄官庁は状況に応じて表示すべき事項を追加することができます。そのため、例えば商品の種類によっては、本号に基づく公告により、製造年月日の全ての表示が必要となる可能性や保存期限の表示が必要となる可能性がありますので注意が必要です。

 

五、表示場所及び電子的表示方式(改正後第10条)

 

本法所定の内容の表示場所については、商品本体、包装または説明書のいずれかにすれば足りる旨規定されました(第1項)。

 

さらに、将来所轄官庁が公告した商品については、電子的表示方式も認める旨規定されました。すなわち、第10条第3項では、所轄官庁は、テクノロジー、産業又は経済の発展状況に応じて、特定の商品について電子的表示方式を採用することができる旨公告できると規定されました。

 

電子的表示方式にはバーコードやQRコードが想定されていますが、光ディスクに表示すべき事項を記録して消費者に交付する方式は含まれないとされています。

 

六、一部の事項についての中国語以外の表示の許容(改正後第11条)

 

商品の表示は、英語又はその他の外国語を補足的に使用できるものの、基本的には中国語を用いる必要があります(第11条本文)。

 

しかし、グローバル化に対応するため、表示が必要な事項のうち「原産地」、「主要な成分又は材料」、「重量、容量、数量等」及び「中華民国暦又は西暦の製造年、月」等の事項については、英語、国際的に通用する文字又は記号で表示することができるとされました(第11条但書)。

 

 

七、本法違反の疑いがある場合の所轄官庁の検査権(改正後第14条第2項)

 

「商品表示が本法の規定に違反する疑いがある場合、直轄市又は県(市)の所轄官庁は、製造事業者、輸入業者、小分け業者に赴き又はその他の商品を製造、保管若しくは小分けをしている場所へ赴き、検査することができる。製造業者、輸入業者、小分け業者又はその場所の責任者は、検査を回避、妨害又は拒否してはならず、関連する資料を提供しなければならない。」という旨の規定が新設されました。

 

八、商品をインターネットで販売する際のプラットフォーム業者の協力義務及び違反した場合の罰則を明記(改正後第15条及び第20条)

 

インターネットで販売されている商品について、直轄市又は県(市)の所轄機関は、必要に応じて、プラットフォーム業者に対して掲載者、販売業者又は注文者等の情報の提供を命じることができる旨の規定が新設されました(第15条)。

 

これに違反したプラットフォーム業者は、2万元以上20万元以下の過料に処せられます(第20条)。

 

九、表示義務に違反した場合の処罰プロセスの変更(改正後第16条~第18条)

 

本法に違反した場合の処罰のプロセスについては、現行法ではまず所管官庁が事業者に対して期限内に是正するよう命じ、期限内に是正されなかった場合に過料を課すという形となっています。しかし、状況によっては、消費者の権利に甚大な影響を及ぼし、更には事業者間の不公平を生じさせることにもなります。

 

そこで、事業者に法令遵守を促し、かつ商品表示管理を強化するため、第16条第1項、第17条第1項に違反した場合、直接、製造業者、輸入業者又は小分け業者に対し過料を課し、かつ期限を定めて是正を命じるという形になりました。ただし、違反が軽微である場合は、まず期限内に是正するよう命じることができます(第16条第1項但書、第17条第1項但書)。

 

また、販売業者に対しても、販売業者が本法に従った表示をしていない商品を販売し、又は販売を意図して陳列した場合も、その情状が重大であるとき、又は当該商品が身体もしくは健康に直ちに危害を及ぼすときは、直ちに過料を課すことができるようになりました(第18条)。

 

このように、個別の事情に応じた処罰のプロセスを採用し、より柔軟かつ厳格に対応できる規定となりました。

 

商品表示法の改正案の紹介は以上となります。輸出入関連書類に記載された商品の内容に誤りがあった場合の対応については、相談が少なくない分野です。そして、商品表示法の改正案が成立した場合には、商品表示法に関するコンプライアンスもこれまでにも増して重要になると考えられますので、今後の動向に注意が必要です。

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