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「重大特殊伝染性肺炎防止及び財務的支援振興特別条例」案



「重大特殊伝染性肺炎防止及び財務的支援振興特別条例」案が行政院を通過

 

行政院は、220日に「重大特殊伝染性肺炎防止及び財務的支援振興特別条例」案を立法院に提出しました。この条例(「条例」という名称ですが、国の法令となります。)は、肺炎蔓延防止のための感染予防対策を引き続き向上させ、必要な設備及び物資を充実させることとともに、悪影響を受け営業に困難が生じている産業のために財務的支援及び振興措置を行うこと等を目的とするものです。

また、行政院は、この条例案において下位法令への授権されている部分について、この条例の可決後2週間以内に手続を完了し公布できるよう各機関に事前準備を要請しました。

他方、行政院は、企業が過度な負担を負うことのないよう600億元を上限とする特別予算案を迅速に編成し、立法院に提出する予定です。

 

1、概要

 

条例案の主なポイントは以下のとおりです。

一、   公立、私立の医療機関において予防、治療、看護を行う医療従事者及び関連する作業員に対して、政府機関は、補助又は手当を支給しなければならない。また政府機関は、これらの者による予防、治療作業に効果があった場合は報奨を与え、死傷した場合は補償、補助をしなければならない。(条例案第2条)

二、   所轄官庁から隔離、検疫を受けるべきと認定された者については、雇用主は感染予防隔離休暇を与えなければならず、また、不利益となる待遇をしてはならない。家族が、自ら生活できない隔離、検疫対象者の面倒を見るために休暇を取得する場合も、雇用主は同様の義務を負う。また、これらの場合において一定の条件を満たすときは、隔離、検疫の対象者又は面倒をみた家族は、感染防止補償を申請できる。(条例案第3条)

三、   営利事業者が従業員に感染予防隔離休暇中の給与を支給した場合、租税優遇措置を受けることができ、この給与金額の200%を当年度の営利事業所得額から控除することができる。営利事業者が中央感染症指揮センター(中央流行疫情指揮中心)の指揮官が指示した対応措置による休暇期間の給与を支給した場合も同様とする。(条例案第4条)

四、   各政府機関は、伝染病防止法第54条第1項が規定する感染防止物資を生産するために必要がある場合、当該感染防止物資の生産設備及び原材料を徴用することができ、この場合適切な補償を支払うものとする。(条例案第5条)

五、   伝染病防止法第54条第1項の規定及び本条例第5条第1項の規定に従い徴用する感染防止物資、生産施設及び原材料の管理、使用、収益及び処分については、国有財産法等の制限を受けない。(条例案第6条)

六、   中央感染症指揮センターの指揮官は、感染を予防しコントロールするために必要な対応処置命令又は措置を実施できる。(条例案第7条)

七、   感染防止期間において、中央感染症指揮センターの指揮官は、感染の拡大を回避するために、隔離者、検疫者又は重大特殊伝染性肺炎の罹患の確定診断を受けた病人に対して、録画、撮影、個人情報の公開、又はその他の予防・コントロールに必要な措置を行うことができる。(条例案第8条)

八、   政府は重大特殊伝染性肺炎により悪影響を受け営業が困難になっている産業、事業者、医療機関及びその従業員に対して、経済支援、補助、振興措置及びその従業員に対する必要なサポートを行うことができる。(条例案第9条)

九、   中央感染症指揮センターの活動期間中、テレビ事業者、衛星放送事業者が感染防止のための情報、番組の放送の指定を受けた場合、所轄官庁は、その影響の度合いに応じて、一定期間、広告時間を延長をすることができ、この場合、テレビ放送法第31条及び衛生放送テレビ法第36条の広告時間の制限を受けない。(条例案第10条)

十、   本条例に必要な経費の上限は、600億元とし、特別予算方式を採用して編成する。予算編成及び実施に柔軟性を持たせ、本条例が定める措置を推進するため、予算法の関連規定の制限を排除する。(条例案第11条)

十一、本条例又は伝染病防止法の規定する義務に違反した場合の処罰。(条例案第12条から第16条)

十二、本条例が定める事項を実行するために、各所轄官庁は、関連機関に対して執行を委託することができる。(条例案第17条)

十三、本条例の施行期間は2020115日から2021630日までとし、立法院の同意を経て延長することができる。(条例案第18条)

 

2、感染予防隔離休暇

 

(1)  感染予防隔離休暇

 

感染予防隔離休暇に関する規定の概要は以下のとおりです。

  衛生所轄官庁が在宅隔離、在宅検疫、集中隔離又は集中検疫を受けるべきと認定した者については、、隔離、検疫期間中、その在職する機関(機構)、事業者、学校、法人、団体は感染予防隔離休暇を与えなければならない。

  この場合、無断欠勤として扱ったり、事假(事故等により自らが行う必要があることが生じた場合に取得できる無休休暇)又はその他の種類の休暇とするよう強制してはならず、また、皆勤手当の控除、解雇又はその他の不利益な処分を行ってはならない。

  家族が自ら生活できない隔離、検疫対象者の面倒を見るために休暇を取得する場合も同様とする。

 

このように、各衛生所轄官庁が隔離、検疫を受けるべきと認定された者に対して、雇用主は感染予防隔離休暇を与えなければならず、また不利益な処分をしてはならないとされています。さらに、家族が自ら生活できない隔離、検疫対象者の面倒を見るために休暇を取得する場合も、同様の扱いとなります。

 

ただし、この感染予防隔離休暇は、雇用主の責めに帰すことのできない事由によるものであるため、この期間中の給与の支払いは強制されません。もっとも、営利事業者が給与を給付した場合、後述のように租税優遇措置があり、その倍額を収益から控除することができます。

 

(2)  補償

 

感染予防隔離休暇中の補償に関する規定の概要は以下のとおりです。

  隔離、検疫を受けた者及び隔離、検疫を受けた者の面倒を見るために休暇を取得した家族は、衛生所轄官庁により隔離、検疫を受けるべきと認定された者が隔離又は検疫を受けた日から終了する日までの間、隔離又は検疫に関する規定に違反しなかった場合、感染予防補償を申請できる。但し、給与又はその他法令の規定に基づき同じ性質の補助を受けた場合、重複して受け取ることはできない。

  上記①の感染予防補償の申請は、隔離又は検疫の終了日から2年間行使しないことにより消滅する。

③ 上記②の感染予防補償の支給の対象、資格、条件、方法、金額、手続き及びその他関連事項については、中央衛生所轄官庁が関連機関と協議して定める。

 

司法院釈字第690号解釈により、隔離、検疫を受けた者がその人身の自由に制限を受けた場合、合理的な補償を与えなければならないとされており、補償の規定は、これに対応するものです。ただし、すでに給与又はその他法令の規定により同じ性質の補助を受けた場合は、補償の必要がないため、例外とされています。

 

時効については、感染防止補償の申請は性質上公法上の請求権であり、請求期間が長期に渡ることは適切ではないことを考慮し、短期消滅時効が採用されています。

 

そして、具体的な資格、条件、金額等は今後所轄機関が規則を制定することが想定されております。

 

3、感染予防隔離休暇中の給与を支払った場合の租税優遇措置

 

以下のとおり、感染予防隔離休暇中に給与を支払った場合の優遇措置が規定されています。

 

  営利事業者が感染予防休暇期間中の給与を従業員に支給した場合、当該給与金額の200%を当年度の営利事業所得額から控除することができる。営利事業者が、中央感染症指揮センターの指揮官が指示した対応措置による休暇期間中の給与を支給した場合も同様とする。

  営利事業者が前項の従業員の給与金額の支給について、その他の法律による租税優遇措置の適用を受けた場合、①を適用しない。

  上記①の休暇期間、従業員、給与の支給金額の範囲、申請期限、申請手続、添付書類及びその他の事項については、中央衛生所轄官庁が財政部(財務省)及び関連機関と協議して定めるものとする。

 

前述のとおり、感染予防休暇は、雇用主の責めに帰すべき事由によるものではないので、雇用主は休暇期間中の給与を支給する義務はありません。しかし、雇用主による給与支払を奨励するために、税制優遇措置を設けることとし、当年度の営利事業所得額のから支給額の2倍の額を控除することができる旨規定されています。

 

また、「中央感染症指揮センターの指揮官が指示した対応措置による休暇期間」は、例えば本条例が公布される前に、中央流行疫情指揮中心の指揮官が高校及び高等職業学校以下の学校の始業を2週間遅らせるなど、保護者がその12歳以下の生徒(又は中学・高校に通う心身障害証明を有する生徒)の感染防止対応措置において面倒を見るために同じような休暇を申請する場合が含まれます。

 

さらに、②については、営利事業者が同一の給与により重複して租税優遇を受けることのないよう、第2項において従業員の休暇期間の給与支給金額について、その他法律の租税優遇を適用した場合(例えば、研究開発職の従業員の給与に関する研究開発投資支出低減優遇を適用した場合)、重複して租税優遇を適用することはできないことを規定したものです。

 

対象となる期間、従業員、金額等については、所轄機関が規則で規定することが想定されています。

 

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