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候補者指名制度の適用拡大と実務争議



1.         非公開発行会社もまた候補者指名制度を採用できる

 

候補者指名制度は2005年の法改正時に台湾に導入されています。改正前の会社法第1921条に「公開発行会社」の文字があったことから、経済部は非公開発行会社には候補者指名制度を適用できないとして、2007119日に経商字第09602006030号書簡を発布していました。今回の改正では「公開発行会社」の文字を削除し、その立法目的を非公開株式会社も候補者指名制度を採用できるようにするためと明確に説明しています。経済部もまた20181221日に経商字第10702429010号書簡によって前述の書簡を廃止しました。法改正後は公開発行会社か非公開発行会社かにかかわらず、定款に候補者指名制度の採用を明記できようになります。

 

2.         株主の指名手続きを簡素化する

 

改正前の第4条では、株主の指名には、指名された者の氏名、学歴、経歴、当選した場合の取締役就任承諾書、会社法第30条の状況に該当しないという声明書およびそのほか関連証明書類の添付がなければならないとされていました。指名された者が法人株主またはその代表者である場合、当該法人株主の登記基本資料および保有する株式数の証明書類も添付する必要がありました。書類の多さから、株主は指名のために相当な時間と費用をかけて前述の煩雑な資料を準備する必要があること、また会社が株主の指名に完全な資料が添付されていないことを利用して特定の候補者を排除するケースが出ていたことから、今回の法改正では改正前の各種書類の「添付」を要求せず、指名された者の氏名、学歴および経歴の「説明」に修正されています。

 

3.         審査の規定を削除する

 

改正前の第5項に「取締役会またはそのほか招集権者が株主総会を招集する場合、取締役に指名された者は審査を受け・・・・」とありますが、これは会社にとって特定の候補者を排除する手段として非常に利用しやすい規定です。これに鑑みて、今回の改正法で「審査」の規定を削除し、立法目的として取締役会またはその他の招集権者は会社法第192条の15項に従って候補者名簿に入れているかを判断しなければならないことを明示しています。

 

4.         故意に名簿に載せない場合は処罰を受け、また公開発行会社の場合はその過料の額が引き上げられた

 

改正前の第8項には、「会社の責任者が第2項または前の2項に違反した場合、NTD 1万元以上5万元以下の過料に処せられる。」とありますが、責任者が改正前の第5項に違反する行為が処罰されなかったため、責任者が故意に特定の候補者を名簿に入れなかったとしても、なんら処罰を受けないことになります。会社の現任経営層からすると、会社の経営権を争う株主が指名した候補者を名簿から排除し、名簿を経営層の指名する人選のみにすることができるため、引き続き会社の運営をコントロールできることになります。会社の責任者が特定の候補者を名簿に入れないという行為に対してなんら処罰がなければ、改選後も継続的に会社の運営をコントロールすることで得られる利益を考えれば、現行の経営層は会社法の規定に違反してでも、継続的に経営をコントロールする目的を達成しようとしてしまう大きな要因になります。

 

このため、今回の改正法第7項には、会社の責任者またはその他の招集権者が第5項の規定に違反し、故意に特定の候補者を名簿に入れなかった場合は、直ちに処罰を受け、さらに公開発行会社である場合は、過料が24万元から240万元に引き上げられ、高額化することで会社の責任者またはその他の招集権者の違法行為が抑制されることが期待されています。

 

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