ニューズレター
特許出願の再審査加速審査プログラム(AEPRe)が2024年9月1日から実施
特許出願の再審査を加速するため、経済部智慧財産局(台湾の知的財産権主務官庁。日本の特許庁に相当。以下「智慧局」という)は、2024年9月1日から特許出願の再審査加速審査プログラム(Accelerated Examination Program for Reexamination、以下「AEPRe」という)の実施を開始した。試行期間は1年で、関連規定は以下のとおり。
1.AEPReの申請要件
(1)適用対象:特許の再審査案件で、その初審査の拒絶査定理由で一部の請求項のみが拒絶されたもの。
(2)申請期間:出願人が智慧局から「まもなく再審査が開始される旨の通知」を受領してから「1回目の再審査の審査意見通知書(拒絶理由通知書)」を受領するまでの期間。
(3)補正内容は、以下の態様を満たすこと。
(A)拒絶理由のある請求項を削除する。
(B)拒絶理由のない従属項を独立項に書き換える。
上記補正を行う際に、請求項の順番、従属関係の調整及び新たな従属項の追加を併せて行うことができる。
2.申請方法:出願人は、まず再審査を請求し、専利法(専利:特許、実用新案、意匠を含む)第49条に基づいて補正を提出し、その後AEPRe申請書をもってAEPRe申請を行うものとする。出願人は、再審査請求とAEPRe申請を同時に行うことはできない。AEPRe申請は、庁料金(official fee)を納付する必要はない。
3.AEPRe申請が上記要件を満たしている場合、智慧局は別途通知することなく直ちに加速審査を行い、AEPRe申請日から6ヶ月以内に再審査の審査意見通知書又は査定書を発行する。AEPRe申請が要件を満たしていない場合、智慧局は出願人にその旨を通知し、出願人は期間内にAEPRe申請を再提出することができる。
4.出願人がAEPReとAEP(特許加速審査プログラム)を同時に申請した場合、智慧局は、出願人が別段の意思表示をしていない限り、AEPRe申請を優先的に処理する。
AEPReの申請要件を満たす案件については、智慧局は加速審査を行うが、直ちに特許(登録)査定を行うわけではなく、補正後の請求項を新規性や進歩性などの要件について従来技術と対比して審査する。ただし、当該案件の単一性の審査は原則として行わない。