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人工知能(AI)産業の発展と応用


Eddie Wu/ Shon Chen/Yan Lin

 概要

 人工知能(Artificial Intelligence、以下「 AI」という)は20世紀半ばに始まり、その後長らく暗黒期を迎え、20世紀末には、ハードウェア(例えば、コンピューティングチップ)及びアルゴリズム(例えば、ニューラルネットワーク)の進化により再び勢いを取り戻した。AIには多くのコア技術が含まれ、ハードウェアデバイスにはチップ、クラウドコンピューティングシステム、端末デバイスなどが含まれ、ソフトウェアアルゴリズムにはニューラルネットワーク、ディープラーニング(deep learning深層学習)、画像認識、ビッグデータによるトレンド分析などが含まれる。AIは、フィンテック、製造業、医療、交通、法律、農業、国防など、さまざまな分野において広く応用されている。一般的に、AIは、学術研究分野の応用、新しいデジタルインテリジェンスサービスの創出、既存の産業におけるAI技術の導入など、いくつかの応用面に大別できる。

一、AIの応用

 学術研究分野における応用については、強大なコンピューティング能力をもったグラフィックスプロセッシングユニットGraphics Processing Unit, GPU)を使用し、ディープラーニング技術を通して、以前は科学者が収集するのに数十年かかっていたデータを提供し、科学者が短時間で関連画像(例えば、天文衛星画像)の分析を完成できるよう協力している。AIは自然災害早期警報システムにも応用でき、より正確かつ迅速にすることで、自然災害による物的損害、死傷者を軽減させる。また、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るうAIは感染病拡大防止の研究においても応用でき、研究者が迅速かつ正確にウイルスタンパク質の構造を解析し、ウイルスの突然変異の傾向を追跡及び予測し、ワクチンの開発をスピードアップするのにも役立つ。

 新しいデジタルインテリジェンスサービスの創出においては、人中心(People Centric)のデジタルインテリジェンスサービスが絶えず生み出されている。例えば、量販店、百貨店における画像識別AIの活用により、人流・動線を解析し、プッシュ通知で消費者の好みに合った広告情報をリアルタイムに配信できるだけでなく、消費者の待ち時間が長すぎる問題も解決できる。AIが医療分野に応用されると、予防的医療の究極の目標を効率的に達成することができる。例えば、遠隔医療(Telemedicine)、遠隔患者モニタリング(Remote Patient Monitoring)、統合型電子カルテシステム、患者用ウェアラブルデバイス、オンライン健康医療相談と予約、スマート介護への応用、又はAI問診などである。

 既存の産業におけるAI技術の導入については、例えば、モノのインターネット(Internet of Things, IOT)、エッジコンピューティング(Edge Computing)とAI技術を組み合わせることにより、工場でコネクティビティConnectivity、接続性)を確立し、工場内の各作業領域又は各マシン間に接続を確立する。それにより、オートメーション機器がデータを端末システムに送信して統合と自主分析を行い、さらに工場の各作業領域、マシン又は工場監督を担当する作業チームへ自動フィードバックすることができる。このようにして、大幅なマンパワーの節約、機械異常による生産性低下の回避、ひいては生産額の増加を図ることができる。

二、AIの展望及び特許ポートフォリオ

 台湾はテクノロジー産業、製造業を主としているため、台湾科技部日本の文部科学省に相当AIを将来の産業発展における最も重要な技術と見なし、「半導体射月計画(半導体ムーンショットプロジェクト)」、AIのコンテスト「フォルモサ・スピーチ・グランド・チャレンジFormosa Grand Challenges)」などの関連計画を絶えず推進しており、台湾がAI産業への応用を非常に重要視していることも示している。また、中国においては、AI2017年に初めて国務院の「政府の活動報告書(中国語:政府工作報告)」に書き込まれ、正式に国家戦略へ盛り込まれた。それ以来、中国の産業政策の重点はAIの基礎研究から技術と産業の融合に移った。政策に後押しされて、AIの商業応用(例えば、企業数、投資規模、市場規模など)は既に世界のトップにランキングされている。AIと産業との深い融合は、従来のビジネスプロセスと産業チェーンにインパクトをもたらし、産業のインテリジェント化、イノベーション・エコシステム(生態系)の形成を促進している。

 AI技術はまだまだ、いろんな分野で開発の余地が多く残されている。異なる分野で使用されているAI技術には類似又は対応する内容、概念が存在する可能性があるが、それが使用される分野において、そのAIデバイス又は技術の特別な技術的特徴が実証され、予期できない技術的効果を奏することができれば、依然として特許権によりそのコア技術を保護することができる。今日、どの分野においても、より大きな利益を得るためにはAIのサポートが必要である。AIによってもたらされる倫理的問題が今なお重大な課題ではあるが、否定できないのは、未来の人間の生活はAI技術の進化により変わっていくことである。

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