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知的財産裁判所、商標付きの商品の類否判断は商標法施行細則の商品又は役務の区分の制限を受けない旨を強調



 「同一又は類似の商品又は役務について、他人の登録商標又は他人が先に出願された商標と同一又は類似であり、関連する消費者に混同誤認を生じさせるおそれがあるもの」は、商標法第30条第1項第10号に商標不登録事由として規定されている。しかしながら、商品又は役務の類否判断は完全に商標法施行細則の商品又は役務の区分を基準とするのかは、商標事件の審理実務の重要な議題となっている。知的財産裁判所は109年(西暦2020年)度行商訴字第53号商標異議行政訴訟事件の判決において、商品の類否判断は、商標法施行細則の商品又は役務の区分の制限を受けない旨を強調した。現行商標法第19条第6項にも同じ認定原則が明文規定されている。

 

 知的財産裁判所は以下のような見解を示した。いわゆる商品の類似とは、2つの異なる商品が機能、材料、製造者又はその他の要素において共通又は関連する箇所を有することを指す。商品の類否判断は、一般社会通念及び市場取引状況を根拠として当該商品の各関連要素を総合考慮しなければならない。よって、商品の類否を判断する際には、衝突する2つの商標の原材料、性質、用途、形状、部品又は完成品の関係、販売者又は場所、消費者及び販路の同一又は類似などについて、一般社会通念及び市場取引状況を参酌して、商品又は役務の各種関連要素を斟酌すべきであり、商標法施行細則の商品又は役務の区分の制限を受けるものではない。

 

 知的財産裁判所は、当該具体的事件の詳細について以下のように説明した。商品及び役務の区分表第32類の「アルコールを含有しない飲料」商品について、裁判所が職権により智慧財産局(台湾の知的財産権主務官庁。日本の特許庁に相当。以下「智慧局」という)の商標資料検索サービスサイトにアクセスして商品及び役務の区分を検索した結果には「エナジードリンク(エネルギー補給飲料)」商品が含まれており、智慧局の訴訟代理人は裁判所においても第32類商品の「アルコールを含有しない飲料」には栄養補給ドリンク、つまりエナジードリンクも含むと陳述した。また、智慧局の訴訟代理人が法廷にて提出したブーリアン検索資料により、本件行政訴訟の原告は以前、登録商標について第32類の商品への使用を指定して登録出願したことがあり、その商品名称はそれぞれ「ビタミン、ミネラル、栄養素、アミノ酸及び/又はハーブ植物を添加したソフトドリンク」、「アルコールを含有しない飲料、つまり、ビタミン、ミネラル、栄養素、アミノ酸及びハーブ植物を添加したエナジードリンク」、「たんぱく質を豊富に含むスポーツドリンク」、「ビタミンを豊富に含む飲料」、「アミノ酸を豊富に含む飲料」となっている。以上から、登録異議申立てにおいて引用する商標の使用を指定した「アルコールを含有しない飲料」とは、ビタミン、ミネラル、栄養素、アミノ酸を添加したエナジードリンク又はたんぱく質、ビタミン又はアミノ酸を豊富に含む飲料を含むものであり、ビタミン、ミネラル、栄養素、アミノ酸を添加した飲料はいずれも栄養補給ドリンクで、人体に必要な栄養を補給し又は元気を出すのに用いられるものであり、たんぱく質を豊富に含むスポーツドリンクは筋肉の維持又は修復、栄養の補給に用いられるものであることが分かる。これらも、原告が異議申し立ての段階で提出したウィキペディアの資料及び裁判所で提出した第三者の公式ウェブサイトの資料によって裏付けられるため、いずれも栄養又は保健を提供する効果を有する。係争商標の使用を指定した第5類の「食事代わりの栄養補助食品、たんぱく質パウダー、健康に益するための食事及び栄養補助品、健康の維持及び増進に役立つたんぱく質を含む食事及び栄養補助品、筋肉量の維持及び増加に役立つ食事補助品、体力の維持及び補充に役立つ食事補助品、たんぱく質の食事補助品、パウダー状のたんぱく質栄養補助品、カプセル状のたんぱく質栄養補助品、錠剤状のたんぱく質栄養補助品」商品は、錠剤、カプセル、液状、パウダー状などの形式で人体に摂取されるもので、人間の疾病を治療、矯正することを目的とするものではなく、特殊栄養素又は特定の保健効果を提供する商品である。係争商標の登録者が実際に係争商標を使用した商品を見てみると、筋肉量の維持及び増加に役立つ栄養補助品以外に、ビタミンB6及びB5(すなわちPantothenic Acid)を含む栄養補助剤もある。これは係争商標商品のサイトの販売資料及び係争商標登録者のサイト資料のスクリーンショットによって裏付けられる。よって、この2つの商標がそれぞれ指定している上記商品の機能及び性質は同一又は類似している。このほかに、栄養補助品とビタミン、アミノ酸を添加したエナジードリンクは、通常同じ製造販売者により製造及び販売されるもので、これについても、原告が提出したその他の製造販売業者のサイト資料を参考にすることができる。以上から、係争商標の使用を指定する第5類商品と異議申し立における引用商標の使用を指定する第32類の「アルコールを含有しない飲料」商品は非常に類似する商品であることが分かる。

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