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構成要件の用語が異なっても必ずしも文言侵害に該当しないとは限らない



 特許制度は、特許権者に排他的特許権を付与し、「特許請求の範囲」をその特許権を保護する法的文書とすることで、公衆にその特許権の権利範囲を知らしめることを目的としている。特許侵害紛争において、係争特許と被疑侵害品とを対比する時、まず、両者間で同一の技術的特徴があるか否かを確認することにより、文言侵害の成否を判断する。

 

 しかしながら、係争特許と被疑侵害品とを対比する時、その対応する構成要件(component)は用語の異なる部品(例えば「プラグ(plug)」と「ボルト(bolt)」)である場合、両者が異なる技術的特徴を有していると直接認定して文言侵害に該当しないと判断することができるのか。これに対し、知的財産裁判所は20201015日付で下した108年(西暦2019年)度民専上字第45号民事判決においては、「プラグ」と「ボルト」の2つの用語間の関係について、両者が異なる部品に属しているというだけで、文言上の範囲に入らないと判断することはできず、明細書及び図面を斟酌し、係争特許発明全体によって与えられた当該「プラグ」という用語の意味を探求してはじめて判断することができる、との考えを示している。

 

 当該判決では、以下のような見解が示された。特許侵害を判断する時、特許権者の保護範囲が文言表現の限界によって過度に制限されないように、特許請求項の用語の文言通りの意味に拘らず、係争特許の部品を理解するには、明細書及び図面を斟酌し、係争特許発明全体が当該用語に与えた意味を追究しなければならない。いわゆる「同一」の技術的特徴とは、係争特許請求項と被疑侵害品の両者の対応する技術的特徴が「完全に同一」「その相違点は文言の記載形式、又は直接的にかつ一義的に導き出せる技術的特徴にのみ存在」「被疑侵害品の技術的特徴は係争特許に対応する技術的特徴の下位概念に当たる技術的特徴である」という3つの主要な態様を指す。

 

 裁判所は上記事件において以下のような判断を下した。その発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば「プラグ」と「ボルト」は異なる構成要件に属することを理解していることから、上記第1、第2の態様ではないことが明らかである。第3の態様(つまり上位・下位関係)については、係争特許の明細書【従来技術】の記載に基づき、係争特許の「プラグ」の用語は、一般的に迅速に取り外しできることから容易に組み立て及び取り外しできるものの集体の総括的概念の部品を指すのに対し、「ボルト」はしっかりした接続、外れにくいことを特徴とするものであり、両者の作用及び機能は明らかに異なり、上位・下位の対応関係はないと認めるべきである。よって、最終的に両部品は「文言侵害」に該当せず、被疑侵害品は特許侵害を構成しないと認定した。

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