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地理的名称が指定商品又は指定役務と関連性がない場合、先天識別性を有することが可能



商標法第29条第1項には、指定商品又は指定役務の産地を描写する説明のみで構成された商標は、識別性を有さず登録できないと規定されている。商標の主な機能は商品又は役務の出所を識別することにあり、地理的名称とは、国家、省、県市、街道などの人為的な地理区画、及び海洋、河流、湖沼、山岳、砂漠などの自然地形を含む地球上の地理的地域の名称を指す。この地理的名称は商品又は役務に使用された場合に、消費者に与える印象は、通常、単なる商品又は役務と当該地理的地域との関連性の説明にすぎず、商品の製造地、生産地、設計地、商品又は役務の商業的出所地、サービスの提供地を表示するものとして使用されるため、出所を識別する標識ではない。本条の趣旨は、このような地理的名称が特定商品又は役務の出所を表示したり区別することができず、識別性なしとされる状況を排除するものである。これは、地理的名称が特定の商品の生産地又は特定の役務の提供地として広く知られている場合に特に当てはまる。

 

ただし、地理的名称が指定商品又は指定役務と何ら関連性がなく、また、消費者も当該地名、場所と商品又は役務の間に関係があると認識していない場合、このような地理的名称が恣意的に使用され、先天的識別性を有するといえるかについては、議論の余地がある。これに対して最高行政裁判所は20191212日付108年(西暦2019年)度判字第566号行政判決において、以下のように示した。当該事件に関わる「SAN FRANCISCO」商標は、辞書で調べた結果、「サンフランシスコ」の英語地名であるが、サンフランシスコと出願人が指定した商品「活字、活版印刷又は活字フォント」には、いかなる関連性もなく、かつ、消費者もまたサンフランシスコが当該商品の産地、サービスの提供地などであると認識することはないため、先天的識別性を有するべきである。同裁判所はさらに次にように指摘した。地理的名称と指定商品又は指定役務とに関連性があるか否かは、各種の商品が消費者に与える印象により個別に判断すべきで、地理的名称と特定の種類の商品とに関連性があるからというだけで、直ちに当該地理的名称はその他の種類の商品とも関連性があり識別性を有しないと認定してはならない。また、商標は属地主義を採っているため、地理的商標が国外で登録されても、当該地理的名称が商品の説明を連想させるもので台湾では商標登録を受けるか否かについては、やはり台湾の消費者の認知を基準とすべきである。

 

地理的名称が先天的識別性を有しないものであったとしても、出願人が市場で使用した後に、関連する消費者が既にそれを一定の出所を表示及び区別する標識であると見なした場合、当該地理的名称は後天的識別性を取得しているとして商標登録を受けることができる。地理的名称が後天的識別性を取得していることを証明するため、出願人は、地理的名称と使用を指定する商品又は役務との関係、競合他社の使用状況、出願人の使用方法と実際の取引状況などの関連証拠資料を提出しなければならず、商標主務官庁が個別案件の実際の取引市場の関連事実を斟酌して総合的に判断する。出願人が個別案件において、地理的名称と指定商品又は指定役務とに関連性がない、又は後天的識別性を取得したことをどのように商標審査官を説得するのかは、やはり注目に値する議題である。 

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