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パテントリンケージ制度関連の専利法第60条の1の改正案



薬事法におけるパテントリンケージ(Patent Linkage;特許連携)制度(即ち、第48条の3から第48条の22、第92条の1、第100条の1)に関する法改正は、既に2018131日に公布され、2019820日に施行された。薬事法第48条の13条の規定により、ジェネリック医薬品(後発医薬品)メーカーが承認申請をするときに、新薬品(先発医薬品)の特許権は無効とされるべきものであり、又は当該ジェネリック医薬品が新薬品の特許権を侵害していない旨を申告した場合、新薬品の特許権者は当該申告を受け取ってから45日以内に特許権侵害訴訟を提起することができる。これについて、現行の専利法(日本の特許法、実用新案法、意匠法に相当)第96条第1項における侵害の排除及び防止の請求権の基礎(法的根拠)が定められているが、さらに他の関連措置を定める必要があると思われる。

 

経済部智慧財産局(台湾の知的財産権主務官庁。日本の特許庁に相当)はこれを受けて、2016330日に専利法改正案を提案し、同年413日に公聴会を開き、各界から広く意見を募集した。これらの意見を踏まえた上で、行政院(日本の内閣に相当)は改正案を閣議決定し、同年85日に立法院(日本の国会に相当)に提出した。しかし当時の改正案は、「環太平洋戦略的経済連携協定」(TPP)の加入のために必要な法整備の一環として起草されたものである。ところが、TPP 2017年に米国が離脱したことで発効の目途が立たなくなった。その代わりに、日本の主導により「環太平洋戦略的経済連携協定に関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP)が発効した。また、当初改正案の審議に携わった議員の任期が満了し、その任期中に議決に至らなかった議案は次期国会には継続されないことになる。そのため、行政院は2020130日に「専利法第60条の1の改正案」を再び公表した。

 

詳しく言うと、上記改正案では、台湾のパテントリンケージ制度の適切な運用を図るため、ジェネリック医薬品メーカーが販売許可を申請するときに、新薬品の特許権は無効とされるべきものであり、又はそのジェネリック医薬品が新薬品の特許権を侵害していない旨を主張した場合、新薬品の特許権者は、ジェネリック医薬品の承認審査手続きにおいて、専利法第96条第1項に基づく請求権の基礎により訴訟を提起することができ、訴訟を提起しなかった場合、ジェネリック医薬品の承認申請者も確認訴訟を提起することができる、と明確に規定されている。

 

薬事法におけるパテントリンケージ制度(即ち、第48条の3から第48条の22、第92条の1、第100条の1)が施行されてから既に一年ぐらいが経過しているため、ジェネリック医薬品メーカーが承認申請をするときに、新薬品の特許権は無効とされるべきものであり、又はそのジェネリック医薬品が新薬品の特許権を侵害していない旨を申告した事案はいくつもあり、また、新薬品の特許権者は、申告を受け取ってから45日以内に特許権侵害訴訟を提起したこともある。したがって、上記改正案の審議は加速すると見込まれる。法改正手続き完了前に、改正案の改正説明は、個別の事案における請求権の基礎に関する議論の展開にも役立つと思われる。 

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