ニューズレター
2020年版医薬関連発明の審査基準の改訂ポイントについて
専利審査基準第二篇第13章「医薬関連発明」(以下「医薬関連発明の審査基準」という)の改訂版は2019年11月5日に公表され、2020年1月1日に開始された。
2020年版の医薬関連発明の審査基準と2013年版の審査基準とを比較すると、主な差異点は以下のとおりである。
1. 7種の態様を挙げて治療方法の判断を説明
そのうち、新設された第7の態様は、「生体外(ex vivo)で処理する方法」が治療方法に属するか否かの判断基準である。そのポイントは、請求項には生体内(in vivo)に戻して治療を進めるステップを含むことが明記又は示唆されているかにある。一方、生体外で処理するステップと後続する治療ステップとの時間間隔の長さや同一生体に戻すか否かは問わない。
2. 化合物の薬学上許容される塩、エステル、立体異性体、水和物などの誘導体について化合物の請求項において併せて主張することができる
2013年版の医薬関連発明の審査基準では、化合物の誘導体の審査基準には言及されていなかった。2020年版の医薬関連発明の審査基準では「明細書に当該化合物が誘導体を含有することがすでに明確に記載され、かつ、当業者が明細書の当該化合物の開示に基づき、過度の実験を要することなく当該化合物の誘導体を製造できることが明らかである場合、当該化合物の請求項において併せて主張することができる」とされた。
3. 光学異性体、多形体、水和物は原則として進歩性を有しない
2020年版の医薬関連発明の審査基準では、光学異性体、多形体、水和物は原則として進歩性を有せず、出願人は、請求する光学異性体、多形体、水和物は容易に製造できるものではなく、又は予期できない効果を有することを説明しなければならないと強調されている。