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テレビ通販とネットショッピング業者の商標権侵害責任



 テレビとインターネットの普及に伴い、テレビ通販とネットショッピングは現在における製品販売の重要なプラットフォームとチャネルになっている。実務上、販売する商品がサプライヤーから供給されている場合、テレビ通販業者とショッピングサイト業者などのプラットフォーム業者はサプライヤーに契約の中で商品が真正品である旨を保証するよう要求していることはよく見受けられる。しかし、販売していた商品が商標権を侵害しているとして商標権者に訴えられた場合、当該プラットフォーム業者はサプライヤーによる保証に基づき、検証義務を尽くしているため自分に過失がないと主張することができるか否かについては、疑義が残されている。

 

知的財産裁判所が201963日に下した107年(2018年)度民商上更(一)字第2号民事判決では、テレビ通販業者とショッピングサイト業者の取引モデルにおける行為の位置付け、検証義務などの問題についての見解が示されている。本件の被告は、台湾の著名な電子商取引業者で、国際的な著名業者から、経営しているテレビ通販とショッピングサイトで権利者の許諾を得ていない模倣腕時計を販売していたとして訴えられた。裁判所での審理の結果、被告の行為は商標権侵害を構成すると認定した。その判断の要点は以下のとおり。

 

係争侵害商品の販売者である被告は、直接侵害を構成する

 

被告は、係争腕時計商品はサプライヤーから消費者に販売されたもので、被告はプラットフォーム業者に過ぎず、販売はしていないため、侵害行為を構成しない旨の抗弁を主張したが、これは裁判所には認められなかった。

 

これに対し、裁判所は以下のとおり判断した。被告の経営するテレビ通販業者は、係争商品の広告制作会議、広告の制作及び撮影に対していずれも主導権と決定権を有し、サプライヤーは意見を述べることしかできず、かつ、司会者も被告に雇われている。また、電話での注文受付、カスタマーサービス、注文管理と販売後のアフターサービス、領収書の発行などいずれも被告が処理しており、被告が販売過程において深く関わっていることから、商品マーケティングに協力する仲介プラットフォームに過ぎないものではなく、実際には販売者の地位に基づき商品販売していたことが分かる。

 

また、被告が経営するショッピングサイトでは、実際のサプライヤーの情報は提供されておらず、注文、問い合わせ、アフターサービス及び領収書の発行などの事項についていずれも被告が処理していることから、被告は購入者と販売者との取引のため単純にインターネットプラットフォームを提供しているものではなく、事業主としてサプライヤーを統合し、十分な情報と便利なインターフェースを提供して消費者を引きつけ商品販売しているため、実は被告が商品の販売者であることが分かる。

 

二、被告には善良な管理者の注意義務(以下「善管注意義務」という)を尽くしていないため過失はある

 

被告は、すでにサプライヤーに輸入申告書、税関での輸入税納付証明書、真正品宣誓書などを提供するよう求めており、かつ、被告は模倣品であるかどうかを知ることができず、善管注意義務を尽くしていることから、自分に権利侵害の過失はないと反論した。

 

これに対し、裁判所は以下のとおり判断した。被告はサプライヤーに対し市場価格をはるかに下回っている商品の供給元、許諾書又は販売証明書の有無、平行輸入商品についての請求書又は購入証明書の有無などについて確認することなく、すぐに信頼してこのような高価なブランド品を販売していたことはあまりにずさんである。また、被告が「善管注意義務」を尽くしたか否かの判断は、被告が「係争腕時計が模倣品であると識別できなかった」ことによるものではなく、輸入申告と税金納付証明などの書類の内容に明らかに誤りがあり、一致しない状況があるにもかかわらず、リスク管理能力のある被告がその管理を怠ったことは、確実に善管注意義務を尽くしていないため、被告に過失があるとすべきである、と認定した。

 

三、被告には「デジタル通信放送法」(中国語「數位通訊傳播法)草案が適用されないため、審査と監督責任が免除されない

 

被告は「デジタル通信放送法」草案の精神に基づくと、「デジタル通信放送サービスプロバイダー」に該当することから、送信又は保存する他人の情報について、審査又は監督責任を負わない旨主張した。

 

これに対し、裁判所は以下のとおり判断した。「送信されたデータはユーザーが始動又は請求するものである」、「ユーザーがアクセスした情報は変更されていない」などの要件を満たしてはじめて当該草案でいう「デジタル通信放送サービスプロバイダー」に該当し、さらにその審査又は監督責任を免除することができる。しかし、係争ショッピングサイトのコンテンツと情報はサプライヤーが始動又は請求したものではないことから、被告は当該法案でいう「デジタル通信放送サービスプロバイダー」ではないため、審査と監督責任を負うべきである、と判断した。

 

 

また、被告は事業主としてサプライヤーを統合し、十分な情報と便利なインターフェースを提供して商品を直接被告から購入するよう消費者を引き付けた。被告の売上利益、取引関与程度及び消費者の信頼度はいずれも単純にインターネットで仲介サービスを提供するデジタル通信放送サービスプロバイダーよりはるかに高く、サプライヤー自身だけで係争侵害腕時計をいくら販売しても、本件のような高額な売上を達成することはできない。知的財産裁判所は、これにより被告が当該商標権侵害の損害を一層悪化させた推進者であるとして、審査又は監督責任を負わないとすれば、理屈に合わないことは明らかであると判断した。

  

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