ニューズレター
「房地合一」税制改革改正案が立法院で可決
不動産に係る税制の合理性、透明性を高め、「居住正義」(※都市部の住宅価格が高止まりしている問題に関するスローガン)を徐々に実現し、経済格差を改善するため、立法院は2015年6月5日に「所得税法」の一部条文及び「特殊貨物及び労務税條例」(「特種貨物及労務税條例」)第6条の1の改正案を三読(※最終審議)で可決し、当該これらの改正法は2016年1月1日から実施される。
今回の改正の要点は以下のとおりである。
一、課税範囲:現行の家屋所有者の権益を保障するため、2016年1月1日以降に取得した土地建物についてのみ、その取引が課税範囲に入れられる。但し、短期的投機及び投機的売買を効果的に抑制するため、もし、当該土地建物が2014年1月2日以降に取得され、所有期間が2年以内で、且つ2016年1月1日以降に売却された場合は、依然として課税範囲に入れられる。
二、課税基準の計算:土地建物の総収入から、コスト、費用及び公告された土地価格上昇総額を差し引いた、残りの額を課税基準とする。
三、個人税率:自然人については、域内居住者による土地の購入並びに長期所有を奨励するため、域内居住者及び域外居住者による土地建物の売買に対し、その所有年数に応じて異なる税率をそれぞれ適用する。
所有期間 |
域内居住者 |
域外居住者 |
1年以内 |
45% |
45% |
1年より長く且つ2年以内 |
35% |
35% |
2年より長く且つ10年以内 |
20% |
|
10年より長い |
15% |
四、営利事業税率:本社が域内にある営利事業者については、依然として17%の課税税率を維持するが、本社が域外にある営利事業者については、土地建物の所有期間が1年以内の売却税率を45%に、1年を超える場合の売却税率を35%に引き上げる。
五、自宅住居の減免及び優遇:域内居住者による自宅住居の売買については、民衆の居住権益を保障するため、もし当該住宅が個人又はその配偶者、未成年の子女の戸籍地であり、実際に満6年以上連続して居住し且つ営利目的での使用又は貸出をしていない場合、売却時に、課税基準が400万新台湾元(NTD)以下であれば免税、400万新台湾元(NTD)を超えるものは10%の税率で課税する。
一般的には、「房地合一」(※「土地と建物を一括する」の意。通常、不動産売却時に、土地と建物の売却益に一括課税を行う「房地合一課税」制度を指す)税制改革は不動産の今後の発展に一定の影響を及ぼすと考えられているが、不動産の投機的売買を減少させ、住宅価格を効果的に抑制することができるか否かは、依然として注視していかなければならない。