ニューズレター
「専利法」改正後の専利生物材料寄託の現況
2013年1月1日に実施された「専利法」第27条には、生物材料又は生物材料を利用した発明を特許出願する場合について、「出願人は出願日から4ヶ月以内に寄託証明書を提出しなければならず、ならびに寄託機関、寄託日及び寄託番号を明記しなければならない。期間が満了しても当該証明書を提出しなかった場合、寄託しなかったものとみなす」と規定されており、改正前の「専利法」と比較すると、寄託証明書の提出期間が3ヶ月から4ヶ月に変更されている。
当該「専利法」の改正に合わせて、生物材料寄託証明書類につき、「寄託証明」と「生存確認証明」を寄託証明に同時に作成して、「両証合一」(※2つの証明を1件の文書にまとめること。改正前は、寄託機関が受託証(寄託証明文書)を発行した後に生存確認が行われ、受託証とは別に発行される生存確認証明書を特許出願の実体審査請求時に提出しなければならなかったが、改正後は、寄託機関が生存確認試験を行って微生物の生存を確認した後、受託証が発行される。)に改正し、寄託証明と生存確認証明をそれぞれ別々に作成することはなくなり、この点が旧制と異なる。当該「両証合一」のメリットは、国際基準と足並みを揃えることができる点にある。ブタペスト条約で認可されている生物材料の国際寄託機関の多くは、いずれも「両証合一」制度を採用している。台湾が「両証合一」制度採用に改めることは、台湾が他国と相互寄託互恵交渉を行う際に追い風となる。
上記「両証合一」実施以來、食品工業発展研究所(以下「食品所」という)は新制度の実施に一致協力し、出願人が「専利法」第27条に規定される「4ヶ月」の期間内に寄託証明書類を提出することができるよう、速やかに存続確認試験を完了できるよう尽力している。大多数の生物材料について、食品所は2週間以内に生存確認試験を完了し、寄託証明を作成することができ、その成果は大いに満足できるものである。しかし、比較的特殊な又は生存確認が難しい生物材料(たとえば、ウィルス又は特殊な細胞株など)については、依然として、迅速に生存確認試験を完了して寄託証明を発効することができない情況にあり、その結果、出願人は法定の4ヶ月という期間内に寄託証明書類を提出することができないという事態が生じている。こうした情況においては、出願者の権益を守るため、「専利法」第17条の規定により、自らの責任に帰することのできない事由により法定の期限を遅延したことを主張し、並びに、その原因が消滅した日から30日以内に書面をもって理由を説明し、智慧局に対し、原状回復手続きを申請することを提案する。