ニューズレター
所得税法一部条文の改正草案が可決
2014年5月16日の立法院の本会議において、所得税法の「株主控除可能税額と、営利事業未処分利益につき追加徴収する10%の税金は、台湾国外株主の株式配当所得の源泉徴収税額から差し引くことができる」旨の規定が正式に可決され、台湾国内に居住する個人株主、及び台湾国内に居住していない個人株主が従来所得について受けていた控除税額を半分とし(所得税法第66条の4、第66条の6、第73条の2)、当該規定は来年(西暦2015年)1月1日から正式に施行される。
言い換えると、当該所得税法の改正は、これまで「両税合一制度」(※法人税と所得税の一本化)で採用してきた完全控除制を一部控除制に改めるものであり、株式配当に係る控除率は100%から50%に引き下げられる。このほか、台湾国内非居住者株主が受け取った配当(余剰)金額中、既に10%の営利事業所得税が追加徴収された部分の税額については、その半分の金額のみ、当該配当(余剰)金額に係る台湾の源泉徴収税額から控除することができる。
新たに改正された所得税法は、株主控除可能税額と納付済み未処分利益10%追加営利事業所得税の控除効果を半減させて、株主の実際の税負担を引き上げ、かつ、会社がこれまで1998年1月1日から納めてきた営利事業所得税と未処分利益10%追加営利事業所得税は、2015年1月1日以降、株主に利益を配当する際、株主がもともと完全に控除できるものと期待していた株主控除可能税額又は納付済み10%追加営利事業所得税の税額は半分に減らされ、株主の税負担に対する影響は極めて大きい。
当該所得税法改正条文の合法性には疑義があるものの、依然として行政訴訟又は司法院大法官会議解釈によらなければ救済を行うことができず、結果が出るまで大分時間かかることになる。会社の運営計画の可能な範囲内で、今年の利益配当金額を適度に引き上げ、株主が現行法規により控除可能税額又は株式配当所得源泉徴収税額につき比較的高い控除率で控除を受けることができるようにし、2015年1月1日の新法実施後にもたらされる控除効果半減によって株主の税金負担が増加するといった事態を回避することをおすすめする。