ニューズレター
「銀行のOBUが金融派生商品業務を行う際の規範」の制定
金融監督管理委員会(以下「金管会」)は、銀行の国際金融業務支店(オフショア・バンキング・ユニット、以下「OBU」)による金融派生商品取扱業務について、もともとは金管会の2013年4月11日付け金管銀外字第1020000860号令(以下「解釈令」)でこれを規定していたが、2013年12月27日に金管銀外字第10200293010号令で解釈令の規定を廃止するとともに、「銀行のOBUが金融派生商品業務を行う際の規範」(「銀行国際金融業務分行辦理衍生性金融商品業務規範」、以下「業務規範」)を定めた。
業務規範と解釈令の規範内容によれば、業務規範における、OBUによる主管機関への申請手続き、クレジット・デフォルト・スワップ(Credit Default Swap)の取扱い及びクレジット・デフォルト・オプション(Credit Default Option)の取扱いに際して遵守すべき事項は、解釈令の規範内容と同じだが、業務規範では、以下に掲げる事項について別に規定している。
一、業務範囲及び取引対象に係る制限について明文規定
銀行のOBUによる金融派生商品取扱業務は、主管機関の許可を受けたものを除き、新台湾元に関わらないものに限る。取引対象は中華民国国外の顧客及び「国際金融業務条例」第4条第2項にいう中華民国国内の金融機関に限る。
二、顧客条件の規制緩和
解釈令の規定によれば、OBUによるクレジット・デフォルト・スワップ(Credit Default Swap、CDS)及びクレジット・デフォルト・オプション(Credit Default Option)の取扱い以外の金融派生商品業務では、取引対象は「プロ顧客」及び「一般顧客」を区別しなければならない。しかし、業務規範第4点の規定によれば、それには当該これらの顧客基準に係る制限が設けられておらず、OBUによる金融派生商品取扱い業務については、内部管理とリスク管理に基づいて、顧客の受入基準、マネーロンダリング防止ガイダンス、顧客認識と商品適合度の分析に係る手続き及びそれが提供できる商品の範囲などを自ら定め、本国(即ち台湾)の銀行は取締役会に、また、外国の銀行の台湾支店は本店又は区域センターに報告し、その許可を受けたうえで、これを施行することができる、と規定されている。
三、自然人である外国の一般顧客に提供可能な派生商品の範囲に関する従来の規制を緩和する
「銀行による金融派生商品取扱い業務に関する注意事項」(「銀行辦理衍生性金融商品業務應注意事項」)第33点、及び、銀行同業者組合が制定、公布した「銀行による金融派生商品取扱いに関する自主規制規範」(「銀行辦理衍生性金融商品自律規範」)の規定により、銀行が自然人である一般顧客に提供できる商品の種類は、若干の制限を受ける。しかし、業務規範第4点の規定により、OBUによる金融派生商品取扱業務には「銀行による金融派生商品取扱業務に関する注意事項」第3点、第25点第2項、第28点第2項、第30点第4項及び第33点などの規定が適用されないため、解釈上、OBUは今後、当該これらの自主規制規範の制限を受けることはないと思われる。