ニューズレター
公平会は、ノキア・シーメンス社によるモトローラの公共無線ネットワークインフラ資産買収を容認
行政院公平交易委員会(「公正取引委員会」。以下「公平会」)は、2010年12月22日の委員会議で、米国モトローラ社(Motorola, Inc.、以下「モトローラ」)がその公共無線ネットワークインフラ資産の主要部分及び営業をオランダの会社であるノキア・シーメンス・ネットワークス社(Nokia Siemens Networks B.V.、以下「NSN」)に売却、移転することに関して公平会に提出した結合案につき、「公平交易法」(※日本の「不正競争防止法」「独占禁止法」の要素が含まれる。)第12条第1項の規定により、その結合を容認する旨の決議を行った。 |
公平会は次のように説明している。 |
モトローラがその100%所有の台湾子会社である「摩托羅拉電子股份有限公司」(以下「台湾モトローラ」)を通じて、NSNにその100%所有の台湾子会社である「台湾諾基亜西門子通信股份有限公司」(以下「台湾NSN」)に営業及び資産を売却、移転することは、「公平交易法」第6条第1項第3号の「他の事業者の営業又は財産の全部若しくは主要部分を譲り受け又は借り受ける場合」という結合型態に合致する。また、台湾NSNの国内の移動通信ネットワークの設備及びそのソリューション市場の占有率は4分の1を超えており、既に「公平交易法」第11条第1項第2号に規定される結合申請基準に達しているため、法により、公平会に申請を提出しなければならない。 |
台湾モトローラが譲渡、売却する予定の関連事業は、移動通信業者(2G、3G、WiMAXなどの移動通信サービス業者を含む)のための移動通信ネットワークの設置並びに関連ソリューションの提供であり、「移動通信ネットワーク設備及びそのソリューション」市場内の製品又はサービス範囲に属し、本案は水平結合形態に属す。結合に参加する事業者は、競合企業と取引相手人の双方に同時に直面しなければならず、かつ、結合後の台湾NSNの関連市場における占有率もわずかに増加するだけであり、関連市場における競合企業の数は極めて多く、結合後の市場集中度の増加にも限りがある。そのため、特定市場への進出には、最低資本額の要求、関連法令による制限、「専利権」(※「専利権」には、発明特許権、実用新案権、意匠権の意味が含まれるため、以下、原文表記とする。)、知的財産権及び原料取得に係る障害がなく、川上及び川下の市場に対する影響も極めて軽微なものであり、顕著な競争制限の疑いはまだない。 |
以上より、本結合の関連移動通信ネットワーク設備及びそのソリューション市場に対する影響はなお軽微なものであり、その全体的な経済利益は競争制限の不利益よりも大きいため、「公平交易法」第12条の規定により、その結合を容認する。また、移動通信サービスは我が国の産業発展の重点的方向にあり、本結合が我が国のデジタルバイス産業の発展にかなりの影響を及ぼすことを考慮し、我が国において現在継続中のプロバイダーと顧客の関連契約に係る権利義務に関し、正当な理由なく取引を拒絶する又は差別的な待遇をするなどといった「公平交易法」の規定に反する事情があってはならない旨を併せて書簡で申請人に通知する。 |