ニューズレター
職務発明創造につき生じる発明者又は創作者の報奨金及び報酬に関する中国専利法の規定について
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中国「専利法」(※日本の特許法、実用新案法、意匠法に相当。なお、中国語の「専利」には発明特許、実用新案、意匠の意味が含まれており、混乱を防ぐため、以下、これら全ての意味を含む場合又はいずれを指すのか不明である場合には「専利」と原文表記する)第3次改正内容は既に2009年10月1日から施行されており、また「専利法実施細則」も既に改正され、2010年2 月1日から正式に施行されている。 |
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中国専利法第6条には、「発明者若しくは創作者が職務を遂行し又は主として雇用主の物質的・技術的条件を利用して完成した発明創造は職務発明創造とする。当該職務発明創造の専利出願の権利は当該雇用主に帰属する。前記専利出願案が認可された後、その専利権も雇用主が所有するものとする」と規定されている。また、当該法第16条には別途、「専利権を付与されたものは、職務発明創造の発明者又は創作者に対して報奨金を与え、発明創造の専利が実施された後は、その普及と応用の範囲及び得られた経済的利益に基づき、発明者又は創作者に対して理に適った報酬を与えなければならない」と規定されている。第3次専利法改正過程において、上記2項の条文は改正されていない。第3次専利法改正過程において、専利法第6条及び第16条は改正されていないものの、2010年2月1日に発効した専利法実施細則では以下のように変更されている。 |
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1. |
改正前の実施細則の規定によれば、国営企業のみが職務発明創造の発明者又は創作者に報奨金と理に適った報酬を与えなければならなかった。しかし、改正後の実施細則では、前述の雇用主の義務はその他企業にまで拡大され、当該その他企業には外国企業の中国の子会社などを含む。 |
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2. |
専利権を付与されたものは、専利法第16条で規定されている報奨金と報酬の方式及び金額について、発明者、創作者と締結する契約のなかで取り決めることができ、若しくは、当該専利権者が法律により制定する内部規則中に規定することができる。 |
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3. |
専利権が付与されたものが、専利法第16条に規定されている報奨金と報酬の方式及び金額について、発明者又は創作者と前述の取り決めがなく、かつ、当該専利権者が法律により制定する内部規則中にも規定していなかった場合、専利権が公告された日から3ヶ月以内に、発明者又は創作者に報奨金を支給しなければならない。1つの発明特許の報奨金は3000人民元を下回ってはならない。1つの実用新案又は意匠の報奨金は1000人民元を下回ってはならない。 |
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4. |
専利権が付与されたものが、専利法第16条で規定されている報奨金と報酬の方式及び金額について、発明者又は創作者と前述の取り決めがなく、当該専利権者が法律により制定する内部規則中にも規定していなかった場合、もし専利権の有効期限期間内に発明創造専利を実施した場合、毎年、当該発明特許又は実用新案の実施により得られた営業利益から2%以上を、或いは当該意匠の実施により得られた営業利益から0.2 %以上を、発明者又は創作者への報酬として支給しなければならない。また、専利権者は前記の比率を参照して、発明者又は創作者に報酬を1回にまとめて支給することもできる。専利権を付与されたものは、その専利権を他者又は個人にその専利の実施を許諾したときには、得られた使用料から10%以上を、報酬として発明者又は創作者に支給しなければならない。 |
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