ニューズレター
著作権法第37条、第81条、第82条の改正-公開放送の二次的利用に関して
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旅館、医療機関、レストラン、喫茶店、デパート、売り場、コンビニエンスストア、旅客バス、観光バスなど、不特定の人が出入りする場所又は公共の交通手段において、業者が、受信したラジオ番組やテレビ番組を、再度、放送システム(broadcast)又はスピーカー(loudspeaker)を利用して公衆に直接提供する行為はよく見られる。しかし、当該これらの行為は著作権法に規定される公開放送の再放送行為又は公開演出に係る行為(簡単に言えば、「公開放送の二次的利用」)に属し、現行の著作権法の規定によると、利用許諾を受けていないのであれば、権利侵害の虞があり、刑事責任を有することになる。 |
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智慧財産局(※台湾の知的財産権主務官庁。日本の特許庁に相当)は、公開放送の二次的利用行為がいずれも他人の著作物を大量に利用し、利用者は利用する著作物を事前に把握してコントロールすることができないという特質を具え、利用する著作物について1つ1つ利用許諾を取得しようがなく、かつ権利者が得ることのできる経済的利益は限られており、その著作権の保護には刑事処罰の必要はなく、民事救済で十分であることを考慮して、ベルヌ条約第11条の2の第2項、即ち、再放送、スピーカー又はその他の器材を使って公衆に著作物の内容を伝達するという(著作権者の)専有する権利について、加盟国が権利を行使し得る条件に関する規定を参考に、著作権法第37条第6項を改正した。その結果、当該項には第2号及び第3号が新たに追加され、最初に放送した著作物を再び公開放送し、或いはスピーカー又はその他の器材を使って、最初に放送した音声又は映像を公衆に伝達する場合、著作権紛争にかかわる部分については民事救済のみが適用され、その刑事救済は排除されることになる。即ち、公開放送の二次的利用行為が著作権紛争にかかわる場合、民事救済のみであり、著作権侵害の刑事責任問題は生じない。当該改正案は立法院で2010年1月12日に可決され、総統によって2010年2月10日に既に公布され、施行されている。 |