ニューズレター
5年間免税申請案例の最新判決
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「促進産業昇級條例」(「産業高度化促進法」。以下「促産條例」)に規定される新興重要戦略性産業に合致する会社の増資拡張計画について、「促産條例」第9条第1項の規定により営利事業所得税徴収免除を選定、適用する場合、その申請の流れは次のような手順を経なければならない。(一)増資拡張計画開始前に、経済部工業局に「新興重要戦略性産業認定」許可書の発行を申請する。(二)増資拡張投資計画完了後、中央目的事業主務官庁に完了証明の発行を申請する。(三)財政部に「5年間の営利事業所得税徴収免除」許可書の発行を申請する。 |
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経済部は上記免税の適用範囲及び奨励範囲について、2001年2月に「新興重要戦略性産業属於製造業及技術服務業部分奨励辦法」(「新興重要戦略性産業が製造業及び技術サービス業に属する場合の奨励規則」。以下、「2001年2月版奨励規則」)を制定、公告した。しかし、徴税機関が「2001年2月版奨励規則」を適用するとき、免税規定に合致しない高次集積回路設計業者が、許可された投資計画により設計、製造した製品を自ら販売した所得を免税範囲に加えることは許されないため、徴税側と納税側の双方に多くの論議を巻き起こした。このため、経済部はその後、2001年に公告した改正版(以下、「2001年12月版奨励規則」)に第5条第3項を追加規定し、前記所得を免税範囲に入れるべきである旨、明確に規定した。 |
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当所クライアント(以下、「甲社」)は、その2001年度の増資拡張計画について、2001年、2002年及び2002年9月にそれぞれ工業局許可書、新竹科学園区管理局完成証明及び財政部免税許可書を取得した。しかし、財政部免税許可書には、依拠とする法規が「2001年2月版奨励規則」であると記載されていたため、北区国税局はその後、甲社の2002年度及び2003年度決算報告を審査する際、これを理由に「2001年12月版奨励規則」を適用せず、甲社が「2001年12月版奨励規則」により免税範囲を計算することを認めなかった。甲社はこれを不服として、当所に委任し行政救済を提起した。 |
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本案については、台北高等行政裁判所が2009年に判決を作成し、北区国税局の原許可決定処分及び財政部の訴願決定を取り消し、甲社勝訴の判決を下している。その判決理由の主旨は次のとおりである。 |
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5年間の免税優遇措置の申請案は、工業局、科学園区管理局及び財政部等の3つの主務官庁が所轄する異なる手続きを経なければならず、最終的に財政部によって5年間の免税許可書が発行される以前において、当該申請案は「処理手続き完了前」である。このとき、もし許可の依拠とする法規に変更があれば、「中央法規標準法」(「中央法規基準法」)第18条に規定される「従新従優」原則(※審理中に法令が改正される場合、基本的に新法を適用するが、当事者にとって旧法が有利なとき、新法が該事項を排除又は禁止していなければ、旧法を適用することができる)が適用される。当時、5年間の免税申請案を受理したものの、許可又は拒絶の決定をまだ作成していない当該管轄主務官庁は、独立した権利責任に基づいて正確に適用しなければならない。本案については、財政部が2002年9月にはじめて許可書を発行している以上、自ずと当時有効であった法規、即ち「2001年12月版奨励規則」が適用されなければならない。 |