ニューズレター
「商業スパムメール管理法」草案が国家通訊伝播委員会で可決
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スパムメールが、メール受信者の権益とインターネット・サービス・プロバイダーのネット設備及びサービスに対し一定の損害を及ぼしていることに鑑み、インターネット使用の利便性を保障し、ネット環境の安全と効率を向上させるため、国家通訊伝播委員会(National Communications Commission)は、米国、日本及びEUなどの先進立法例を参照し、2008年11月24日の委員会議において「商業メール濫発管理法」草案が通過させた。商業電子メール濫発行為に対しては、発送前の準備行為に対する監視強化、「オプトイン」(opt-in)システムと「無料返送」(a free-of-charge reply)メカニズムの導入、サービス・プロバイダーに特定条件下で配受信を拒絶する権利を付与するなど、立法規範を定めている。また救済面については、団体訴訟機構にサービス・プロバイダーに対する資料開示請求権を特別に付与し、かつ、団体訴訟参加者から必要な費用を予め領収することができるようにし、これをもって団体訴訟制度を健全に運用することができるようにする。その重点につき、以下に簡単に説明する。 |
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1. |
メール受信に「オプトイン」システム(メール送信者は合法的な電子メールによる販促を1回行うことができ、最初の商業電子メール発送された後、もしメール受信者が継続受信を希望する旨明示しなかった場合、送信者は二度と商業電子メールを送信することができない)を採用し、かつ、メール送信者に無料返送手段の提供を要求する。 |
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2. |
商業電子メールはメール主旨欄に「商業」、「広告」又はそれが商業電子メールであると識別するに足るものであると主務官庁が公告したその他の標示を注記しなければならない。 |
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3. |
法案には、契約の約定が本法案の規定に違反する場合は無効とする旨明確に規定する。 |
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4. |
無選別式の配信行為が違法である旨明確に規定し、かつ、電子メール配信サービス・プロバイダーにそのメール送信者の電子メールの伝送又は受領を拒絶することのできる権限を与える旨明確に規定する。 |
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5. |
民事損害賠償の仕組みを保留し、電子メール1通当たり500~2,000新台湾元の仮の損害賠償額、及び団体訴訟制度を導入する。 |
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6. |
同意を得ずに電子メールアドレスを自動収集若しくは売却する行為、又は濫発を目的に提供される、濫発機能を具えるコンピュータプログラムを供給するなどの濫発幇助行為は、いずれも、濫発者と連帶して損害賠償責任を負う旨明確に規定する。 |
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7. |
主務官庁は、サービス・プロバイダーに対し、必要な濫発防止措置を講じるよう命じることができ、かつ、監督業者が命令に従わない場合、行政罰を科すことができるよう定める。 |
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8. |
団体訴訟の仕組みを運用することができるよう、団体訴訟を提起する機構がサービス・プロバイダー、広告主又は広告代理店に対し、濫発者の資料を提供するよう要求することができる旨明確に規定し、かつ、行政罰則を定めることで、資料提供に協力するよう主務官庁が要求できるようにする。 |
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同法は立法作業手続きにより行政院に報告され、行政院会議を通過した後、立法院での審議に付される。順調に立法されれば、今後、公衆及びサービス・プロバイダーのリソースの二重損失を抑えることができ、これによって国民の通信権益及び消費者利益を強化する。 |
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