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警察官がフィッシングにより取得した模倣商品は証拠とすることができる



警察官が商標模倣商品事件を捜査するため、自発的に証拠を収集し、「フィッシング」により取得した商標模倣商 品を証拠とする場合、当該捜査方法が「おとり捜査」を構成するか否か、また、かかる方法によって取得した商標模倣商品が証拠として採用可能か否かは、実務 上、かなり重要な問題である。

基隆地方裁判所は2008年度基簡字第842号刑事判決において「『フィッシング』は『おとり捜査』とは異なる」と判示している。刑事捜査技術における 「フィッシング」とは、もともと既に罪を犯している又は犯罪意図を有する者に対し、誘いをかける方法で犯罪事実を暴露させ、逮捕又は捜査を行うものを指 す。これに対して「おとり捜査」とは、行為者がもともと犯罪の意図を具えず、司法警察の計略、教唆によってはじめて当該行為者に犯意が芽生え、さらには犯 罪構成要件に係る行為を実施させるものを指す。「フィッシング」は純粋に犯罪捜査技巧の範疇に属し、決して憲法の基本的人権に対する保障に違反するもので はなく、且つ公共利益の維持において必要な存在であり、故に、「フィッシング」方式によって集めた証拠資料は、原則として証拠能力を具える。これに対して 「おとり捜査」は、犯罪の誘引又は教唆といった不正な手段を以って、元来犯罪意図をもたない人間に犯意を芽生えさせて犯罪行為を実施させ、さらにはその犯 罪に関する証拠を集めて逮捕・捜査を行うものである。その手段は明らかに憲法の基本的人権に対する保障に違反しており、且つ既に犯罪捜査に必要な程度を超 えている。また、公共利益の維持に対して何の意義もなく、かかる手段によって取得した証拠資料は、証拠能力を具えない。

裁判所は、「本件被告はもともとウェブサイトに商標模倣商品の販売広告を掲載しており、その販売に係る犯意は 決して司法警察の計略・教唆によって生じたものではなく、当然、『おとり捜査』とは言えない」と判示している。

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