ニューズレター
「専利法」改正案検討中
現行の「専利法」は、2003年2月6日に改正公布され、2004年7月1日から施行された。知的財産局は、現在も引き続き、様々な専利改正課題について研究、議論を重ねており、不備又は改正すべき点の有無を積極的に検討している。知的財産局によって整理統合された結果、今後の「専利法」改正草案に盛り込まれる主な課題は次のとおりである。
1.動植物に対する特許保護を解禁し、権利範囲、権利消尽、個人による非営利目的での使用行為、農民免責及び強制実施及びクロスライセンス等を明確に規定する。
2.世界貿易機関(WTO)の関連規定を考慮し、国家の緊急危急事態若しくはその他の緊急を要する状況又は公益を増進するための非営利目的での使用については、強制実施により必要な医薬品を生産することができる旨を規定し、これによって開発途上国及び低開発国が法に依り医薬品特許の強制実施を通じて必要な医薬品を入手することができるようにする、という公衆衛生に関する課題。
3.研究実験の免責を改正し、専利の効力は、非商業目的での個人行為には及ばない旨を明確に規定する。
4.「新式様専利」(意匠)という従来名称を「設計専利」に変更するとともに、部分意匠、Icons(コンピュータ画像)及びGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)及び組物意匠の登録出願を解禁し、設計の保護を拡大する等の規定を含む、意匠制度に関連する変革。
5.実用新案技術報告実務、実用新案の補正・訂正、実用新案技術報告提示に関連する規定、及び実用新案権の職権による取消しの可能性等の規定の検討を含む、実用新案制度全般にわたる関連規定の改正。
6.その他の実務上の要求に応じた改正、及び現行専利法の規定全般の見直し。たとえば、手続きに係る規定の緩和、特許料・登録料の支払期限を超過した場合の救済、補充・補正・訂正に関する規定、及びその他の実務に応じた執行等、制度全般の改正や検討。
7.専利権侵害に係る主観的要件、類型、賠償請求の範囲及び証拠保全等の関連事項について研究を行うとともに、法改正を検討する。専利権表示規定について、いかに調整するかを検討する。間接的な権利侵害については、法制全体に関わる問題であるため、権利侵害のタイプ及び態様について、司法機関、関連業界と協議検討しながら、法改正を行うか否かを決定する予定である。
当所では今後も上記の専利法改正の動向に注目し、随時報告いたします。