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「知的財産案件審理細則」制定中



「知的財産権法院組織法」(「知的財産権裁判所組織法」)及び「知的財産案件審理法」(「知的財産案件審理法」)が相次いで制定された後、司法院は2007年12月10日に「知的財産案件審理法施行細則」(「知的財産案件審理法施行細則」)の制定を予告し、並びに関連草案を公開し一般から意見を求めた。当該施行細則の重点は次のとおりである。

1.         知的財産裁判所の知的財産民事、刑事及び行政訴訟案件に対する管轄、分配の範囲を明確に規定(第2条~第4条)。


2.         第一審裁判所は、検察官が起訴した犯罪事実について法条を変更し、知的財産刑事案件の裁判とした場合、当該案件に対し提起された上訴又は抗告の所管を知的財産裁判所に移送しなければならない(第8条)。

3.         知的財産民事、行政訴訟事件が知的財産裁判所の管轄に専属せずに、その他の民事、行政裁判所が、実際には知的財産民事、行政訴訟事件に属すはずの案件について実体裁判を行なった場合、上級裁判所は管轄の誤りを理由に原判決を廃棄することはできない(第9条)。


4.         その他の裁判所が知的財産でない事件を審理時に誤って知的財産訴訟に係る特別規定を適用した場合、法令違背となり、上級裁判所はこれを理由に原判決を廃棄する、又は取り消すことができる(第10条)。

5.         知的財産裁判所は、知的財産案件を処理する際、必要であれば、裁定を以って技術審査官を指定し職務を執行させることができる。その他の裁判所が知的財産案件の処理に際し技術審査官を指定してその協力を得る必要がある場合、知的財産裁判所に技術審査官を指名し派遣するよう要請しなければならない(第11条、第12条)。


6.         訴訟審理に協力するために指定された技術審査官につき、その職務執行の方式、及び、審理に参加する際にはその氏名を筆録に明記しなければならない旨、並びに、裁判長又は受命裁判官の許可を得て当事者又は証人に直接質問することができる旨、明確に規定(第13条、第14条)。


7.         当事者は技術審査官が期日中に行なった説明について、裁判所に意見陳述することができる。裁判長又は受命裁判官は、技術審査官にその職務執行の成果について報告書を作成するよう命じることができる(第15条、第16条)。


8.         裁判所は、必要があれば、技術審査官の指定を取り消す、又はその他の技術審査官を新たに指定することができる(第17条)。


9.         技術審査官の陳述は、証明が必要な事実の証拠として直接採用することができず、当事者は証明が必要な事実について、依然として各訴訟法に定められている手続に依り証拠を提出しなければならない(第18条)。


10.     提出すべき文書又は検証物の保有者が営業秘密に関わるとして当該文書又は検証物の提出を拒む旨の抗弁を行なう場合、その秘密の種類、性質及び範囲を釈明しなければならず、裁判所は当該保有者に対し非公開の方式で提出するよう命じることができる旨規定し、並びに、保有者の提出拒否に対する裁判所の斟酌基準を規定(第19条)。


11.     秘密保持命令を出すよう裁判所に申立てる際に注意及び記載すべき事項を明確に規定し、並びに、公務上守秘義務を有する公務員が訴訟に参加する場合、秘密保持命令を受けるべき者としない旨規定(第20条)。


12.     秘密保持命令を受ける者は、本案件により当該営業秘密に触れることのできる者に限る。営業秘密に係る文書又は物件は申立書に添付せず、審理終結後もファイルに添付しない。裁判所は裁定前に当事者、秘密保持命令を受けるべき者に質問することができ、並びに必要な調査及び本案の訴訟手続きを一時的に差し止めることができる(第21条、第22条、第23条、第24条)。


13.     裁判所が秘密保持命令申立について許可又は却下の裁定を行なう際、当該営業秘密を開示してはならず、間接的な方式で引用すべきであり、裁定原本は営業秘密が記載されている文書と一緒に保存し、裁定正本は営業秘密が記載されている文書を添付することができない。(第25条、第26条)。


14.     秘密保持命令の発効時期を明確に規定し、並びに、当該命令の公示送達を禁止する。裁判所は協議時に、双方が協議して命令を受けるべき者を取り決め、当該命令を受けるべき者が裁判所に出頭して秘密保持命令を受け取るよう、論告することができる。命令を受ける者の住居所が変更された場合、裁判所に報告しなければならない(第27条)。


15.     知的財産民事及び刑事訴訟において、当事者が知的財産権に取り消す又は廃止すべき理由があると主張又は抗弁し、且つ裁判結果に影響を及ぼす場合、裁判所は判決理由においてその主張又は抗弁につき自ら判断しなければならない。また、知的財産権が取り消す又は廃止すべき理由を有するか否かに係る同一の事実及び証拠に関しては、法に依り、行政訴訟手続きにおいて主張することができず、これ以上、知的財産民事及び刑事訴訟において主張を繰り返すことはできない(第28条)。


16.     知的財産民事訴訟当事者は、知的財産権の効力、或いは取消又は廃止に係る争点の有無について、独立した訴え又は反訴を提起することはできない(第29条)。


17.     知的財産民事訴訟が知的財産権の取消又は廃止に関わり、既に行政訴訟手続きが提起されているとき、裁判所は行政訴訟の程度及び双方の意見を斟酌して訴訟期日を指定することができ、必要なときには、知的財産主務機関に訴訟に参加し且つ証拠資料を調査するよう命じることができる(第30条)。


18.     裁判所は、知的財産権民事訴訟の争点が専門知識又は法律原則に関わり、知的財産主務機関の意見を求める必要のあるとき、当該機関に訴訟に参加するよう命じることができる(第31条)。


19.     「専利権」(※中国語の「専利」には「発明特許」「実用新案」「意匠」が含まれるため、「専利権」は「発明特許権」「実用新案権」「意匠権」全てを含む。以下、混乱を防ぐため、「専利」と原文表記する)侵害に係る民事訴訟については、専利権者が既に知的財産主務機関に専利範囲の訂正を申請している場合、当該訂正申請が明らかに許可されない等の状況がある場合を除き、その訂正手続きの進行程度と双方の意見を斟酌して適当な期日を指定しなければならない(第32条)。


20.     知的財産民事訴訟につき、知的財産権を取り消す又は廃止すべき理由に関し、当事者が意図的に訴訟を引き延ばし、或いは重大な過失により期限を過ぎてから攻撃又は防御方法を提出し訴訟終結を妨げた場合、裁判所は訴えを却下する旨の裁定を行うことができる。当事者が第一審において主張していない、又は準備手続きにおいて主張していない攻撃若しくは防御方法は、上訴審又は準備手続き後に行なわれる口頭弁論時に、主張することはできない(第33条)。


21.     知的財産権を取り消すべきか否かについて知的財産民事訴訟を経て判決が確定した後、同一の知的財産権に係るその他の訴訟が同一の基礎事実について確定判決の判断に反する趣旨の主張を行う場合、裁判所が斟酌すべき内容を明確に規定(第34条)。


22.     知的財産権侵害に係る民事訴訟につき、侵害が成立するか否か及びその損害額に係る審理手順を明確に規定(第35条)。


23.     関連する民事保全手続きを明確に規定(第36条から第39条)。


24.     商標登録の取消、廃止、或いは専利権の取消に係る行政訴訟中、当事者が口頭弁論終了前に同一の取消又は廃止理由範囲内について新たな証拠を提出した場合、裁判所はこれを斟酌しなければならず、知的財産主務機関に答弁を行なうための準備期間を与えなければならない。但し、意図的に訴訟を引き延ばし、又は重大な過失により適切な時期に新たな証拠を提出することができず、訴訟終結を妨げた場合、裁判所は却下の裁定を下さなければならない(第40条)。


25.     同一の基礎事実により知的財産権に生じる各訴訟につき、同一の裁判官が処理することができる旨明確に規定(第41条)。


 知的財産裁判所は本細則を2008年7月に正式に施行することを予定しており、当所では今後も本細則立法進展の動向に注目し、随時報告する。
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