ニューズレター
知的財産専門裁判官養成訓練課程開始
知的財産裁判所の裁判官を任ずることのできる人材を増やし、並びに裁判官の専門能力を引き上げるため、司法院は2006年3月6日から同年7月7日まで、司法業務従事者研修所(司法人員研習所)にて知的財産専門裁判官養成訓練課程を開講している。開講式典では司法院長官自ら式辞を述べ、4ヶ月の長期にわたる養成訓練課程の序幕とした。
我が国の知的財産権紛争審判制度の健全化を図り、紛争解決効率を高めるため、司法院は2004年2月から知的財産専門裁判所設置計画に積極的に取り組み始め、何回も検討会を開いて入念な検討を行うとともに各界の専門家の意見を集め、既に「知的財産裁判所組織法」草案及び「知的財産案件審理法」草案を作成した。これらの草案は既に司法院第113回院会で審議可決されており、まもなく立法院で審議される予定である。
高等裁判所クラスに属する知的財産専門裁判所は2007年3月に正式に成立される予定である。今後1年内に司法院は知的裁判所設立準備の関連作業を完了させることとなり、専門裁判官の養成訓練はまさにその最重要ポイントともいえる。
今回の研修課程は、台湾高等裁判所、台北高等裁判所及び各地方裁判所の裁判官40名が選抜されて養成訓練に参加した。研修内容は共通課程、法律専門分類課程、知的財産権専門分類課程及び実務課程に分かれ、研修時間数は計374時間である。国内の知的財産権の専門家や学者を広く集めて講座を担当させているほか、知的財産局などの強力な支援を受け、研修課程はより充実したものとなっている。4ヶ月の研修訓練が終了後、裁判官の知的財産分野の専門素養は強化される、将来、こうした研修訓練を受けた裁判官が知的財産裁判所の裁判官に任命されれば、我が国の知的財産裁判所の知的財産案件処理に係る専門的な水準は国際レベルとなり、さらには国家競争力の強化と国際社会におけるイメージアップに貢献するものと予測される。