ニューズレター
告訴を証拠として採用できる
告訴人が商標又は著作権侵害について提出した刑事告訴陳述を証拠として採用することができるか否かは、実務上、紛争があった。
最高裁判所2004年度台上字第5964号刑事判決は、「告訴人は我が国の刑事訴訟法において法定の独立証拠方法ではなく、告訴人が述べる自らの被害経過を犯罪事実認定の根拠とする場合、該告訴人は証人の立場となり、またその証拠方法は証人となるため、証人に関する証拠調べ手続を行う必要があり、法により誓約書を提出させることができない事情のある場合を除き、事実審裁判所は該告訴人に誓約書を提出するよう命じなければならない。法により誓約書を提出しなければならないにもかかわらず提出しなかった場合、該告訴人の被害事実に関する陳述に証拠能力はなく、裁判所はその陳述を判決の根拠として引用することができない」と判示している。また、最高裁判所2004年度台上字第6578号刑事判決は、刑事告訴を提出しなかったその他被害人についても、証人としての位置づけを認めている。
最高裁判所2004年度台上字第4363号刑事判決は、「告訴人の告訴は被告に刑事訴追を受けさせるのが目的であり、その陳述が事実と一致するか否かは依然としてその他の証拠を審査し決定しなければならず、然るに、告訴人の陳述が事実と一致することを証明する証拠は、直接証拠に限らず、その他の間接的な証拠であっても法廷の調査事実を補強できるのであれば、依然として審理されなければならない」と判示している。
最高裁判所の見解は、告訴人の告訴を証拠として採用できること及び証拠の調査方法を確認するものである。