ニューズレター
命令違反及び検査妨害の処罰機関
「公司法」(「会社法」)によると、発行株式の3%以上を継続して1年以上所有する株主は、裁判所に対し会社の業務書類及び資産状況の検査を申し立てることができる。裁判所は派遣した「検査人」の報告に基づいて必要と認める場合、監察人に株主総会を招集するよう命じることができる。「検査人」の検査を妨害、拒絶、回避する場合や、監察人が裁判所の株主総会召集命令に背く場合、2万台湾元以上10万台湾元以下の行政罰則金が課される。
この規定の目的は、株式会社の少数株主に会社の業務書類及び資産状況を検査する権利を与え、会社の正常な経営を維持することにある。但し、株主による権利濫用を防止するために一定の行使要件を設ける必要がある。そこで、継続して1年以上株式の3%以上を所有するという条件を満たす株主が裁判所に申し立て、裁判所によって派遣された「検査人」が検査を行い、株主自らは検査を行わないことによって、検査の客観性と公正さを追求している。「検査人」は裁判所が選任・派遣し、「検査人」の行使する検査権は裁判所の管轄とする。したがって、「検査人」の任免は、株主の申し立てを受理した裁判所が行い、「検査人」は検査を完了した後、裁判所に対し検査報告を提出しなければならない。しかし、「公司法」改正時に刑事罰が廃止されたことを受けて、刑事罰である「罰金」から行政罰である「行政罰則金(過料)」に変更されたため、実務上株主が行政機関に処罰を要求することには困難が伴う。
これについて経済部は93年(2004年)11月16日付通達において「検査人の選任・派遣、検査の実行、解任などの過程は全て裁判所の管轄下にあり、行政機関が介入するようなことはない」との解釈を示した。「公司法」改正によって「罰金」から「行政罰則金(過料)」に変更されたものの、会社がもし「検査人」の検査を妨害すれば、裁判所は「検査人」の報告に基づいて判断した後、「公司法」の規定に従って「行政罰則金(過料)」に処す。もし会社が裁判所の判断を不服とする場合、法に従い抗告することができる。
このほか経済部は2004年10月26日付通達において、民法の清算に関する規定を参照し、有限会社の清算について、清算人がその就任後15日以内に報告しなければならないとする「公司法」の規定に違反する場合も、裁判所の監督権限に属し、裁判所がその処分を決定する、との解釈を示した。