ニューズレター
取締役の報酬と取締役・監察人の「報労」は異なる
経済部2004年1月20日付通達によれば、いわゆる「取締役の報酬」とは、取締役が会社のために働いた結果、得るべき報酬金を指し、取締役・監察人の「報労」とは利益の分配であり、両者は異なる。
1.取締役の報酬が会社定款に明確に規定されていない場合、株主総会の決議によらなければならない。したがって、経済部はその通達において、「会社定款に明示されておらず又は株主総会で決議せず、取締役会の決議のみで処理することは違法であり、また取締役の報酬に関する決定権を取締役会又は董事長に授権することを会社定款に規定することはできない。さらに、株主総会は、決議を以ってその意思表示を行うものであり、決議されてはじめて効力を生じるものであるため、当然、事後追認ということはあり得ない」と明示している。
2.取締役・監察人の「報労」は会社定款に明確に規定しなければならず、これを以って利益の分配の根拠とする。会社法の規定によれば、株式配当金等の分配は、会社定款に別段の規定がある場合を除き、各株主の持株比率を基準とする。したがって、利益分配の事項は、会社定款に明確に定められている従業員への配当又は取締役・監察人の「報労」を除き、従業員又は取締役・監察人は分配対象外としなければならず、株式配当金等は株主の身分を有する者でなければこれを受けることはできない。会社定款に取締役、監察人は株主身分の有無を問わないことが明確に規定されている場合には、会社定款の規定により、取締役・監察人「報労」の分配を受けることができる。