ニューズレター
合併・併合の際の土地増値税の繰り延べ
企業併購法第34条は、会社が合併、分割、又は買収価格の65%以上が株式を以って支払われる資産譲渡において土地を譲渡する場合、被併購公司が土地を所有していた期間の地価の増値税を、算出し、併合会社が再び他人に当該土地を移転する時までその納付繰り延べすることができる。つまり、譲受後土地を所有していた期間中に発生した土地増値税は、前回の取引の際に発生した土地増値税分と一緒に納付することができるというものである。
会社が合併・併合により取得した土地を合併・併合により再度譲渡した場合、二度目の合併・併合により発生した土地増値税を繰り延べできることは何の疑いもない。しかし、最初の合併・併合時の繰り延べ土地増値税が、引き続き繰り延べできるか、あるいは二度目の合併・併合による譲渡時に支払う必要があるのかどうかは、議論がある。
法律の文言によると、繰り延べ土地増値税は、再譲渡時に支払うべきと考えられ、再移転の原因は問わず、所有権の移転が発生すれば課税要件を満たすとされている。しかし、土地増値税が繰り延べできる合併・併合の法理によれば、合併・併合は実質的に財産を処分する行為ではなく、土地譲渡は、形式上の所有権変更にすぎず、土地の利益及びリスクは、持ち株関係権利義務関係を通じて継承されることに変わりはない。また、繰り延べを認めることにより、課税問題で合併意欲が阻害されることはない。
以上によれば、第一次および第二次の合併・併合は、どちらも形式的な移転財産之行為である。ゆえに二度の土地増値税はどちらも繰り延べを認めることが、該規定の趣旨に合致した運用と言え、財政部は、92年12月29日台財税字第0920457763号書簡において、合併・併合により譲渡された土地が合併・併合の際の存続会社又は新設会社により再度譲渡された場合土地増値税は、まとめて繰り延べることができる旨の解釈を示している。
該解釈は、合併・併合及び分割の類型のみを対象とし、二回目の譲渡が資産譲渡を原因とする場合を明示していない。したがって、明確に対象とされていないケースが含まれるか否か、なおも疑問が残る。そこで財政部は、上述のほかに93年3月8日台財税字第0930450123号書簡の解釈において、会社が合併・併合により土地を譲渡し、その後、存続会社又は新設会社が買収され、当該土地が再度譲渡された場合、土地増値税は、併せて繰り延べることができるとの解釈を示している。
ただし、会社の買収側は被買収会社の買収前の権利・義務を引き受けず、二度目の買収の際にも土地増値税の繰り延べを認める一方、買収側が法律に従い繰り延べられた納税の義務を負わない場合、徴税に問題が生じる。そのため、通達では、特に買収契約に必ず買収側は該土地合算が許可された繰り延べ土地増値税の納税義務の引受けに承諾する旨明示するとともに、徴税機関に対し、該譲渡累積する土地増値税を買収側が負担することに同意する旨の文書を提出しなければならない。後の紛争を回避するため、上述の要件を充足しない場合、繰り延べの合算は認められない。
法律関係という観点からすれば、買収側の会社が買収契約に該土地の繰り延べ土地増値税の納税義務を負う旨明示するということは、繰り延べ土地増値税の納付義務を私法契約により、次の買収会社(併購之収購公司)に転嫁することであり、二回目の被買収会社と買収会社間の権利関係の変更に過ぎない。買収会社が買収契約を履行しない場合、被買会社が契約上の請求権に基づき、買収会社に税金に相当する金額の支払いを請求することができるに過ぎないが、納税義務は私的契約により移転されるものではない。
更に、買収契約は租税債権の行使まで保証するものではない。土地増値税の発生は土地に依拠するものであるため、土地増値税の租税債権を実現するには、該税金を発生させた土地は最も容易に取得できる担保である。税金と課税標的物が常に密接に関連付けられている場合、それは最高の歳入の保証となり得る。土地を受譲人に譲渡され、納税義務が履行されない場合、徴税機関は無担保の状態になり、救済策がなければ、継続繰り延べの法的な基礎があっても、政策として受け入れ難いものとなろう。
そのため、徴税機関が二度目の買収会社に対し徴税権を持ち得るよう、財政部は、別途法的仕組みを設ける必要が有るかもしれない。そうでなければ、継続繰り延べの許可を与えることは困難である。そのため、解釈函では、買収して土地を取得した会社が、土地移転価格を申告する際、継続繰り延べする税金を納付するという承諾書を提出すべきであることを要求する。該承諾書は、行政契約に相当し、公法上の効力を持ち、徴税機関に買収会社に対する納税義務の思履行請求権を与えるものである。買収会社は、その契約の規定に従い、代位的納税義務者となる。
換言すれば、財政部の解釈は、公法的契約関係の義務を受け継ぐことによって、法律がまだ規定していない問題を解決しようとするものと、読むべきである。既存の継続的繰り延べの形式要件として、法律にない制限を加えたとしても、租税保全という目的及び納税義務者の権利義務との均衡を図るものであり、該制限は、法精神を超えておらず、違法には当たらない。しかしながら、承諾書による納税債務と、法律上概括に引き受けた義務には程度の違いが有り、依然として合算繰り延べ土地増値税が将来一切の債権及び抵当権に対し優先的地位を持つか否かには疑問が残る。このほか、上述の二つの解釈はいずれも最初のトランザクションが合併・併合であり、仮に最初のトランザクションが、分割或いは買収の場合、次の買収の土地増値税の再繰り延べに影響するかどうかは、前に述べた繰り延べの法理を手がかりとすることができる。