ニューズレター
「最低賃金規定」の公布
労働者が労働報酬を得る合法的権利を保護し、労働者個人及びその家族の基本的な生活を保障するため、中国の労働及び社会保障部は2003年12月30日に「最低賃金規定」(「最低工資規定」)を公布した。この規定は翌年3月1日より施行され、それに伴い1993年公布の「企業最低工資規定」は廃止された。
新規定によると、最低賃金基準は一ヶ月及び時間あたりの最低基準を設けて、それぞれフルタイムとパートタイムの労働者に適用される。最低賃金基準の決定及び調整は、省及び自治区、直轄市の人民政府労働保障行政部門が同レベルの労働組合、企業連合会/企業家協会と協同で計画案を作成し、労働保障部が審理を行う。労働保障部はこの最低賃金基準の決定及び調整案に対し修正意見を提出することができるが、計画案を受領してから14日以内に修正意見を提出しない場合は同意したものと見なす。最低賃金基準が確定した後、当該地域における労働者及びその扶養家族の最低生活費、都市部(「城鎮」)生活消費価格指数、労働者の平均賃金、各種社会保険費用、当該地区の経済発展水準、就業状況などの要素に変化があれば、人民政府は適時、最低賃金基準を調整しなければならない。特に変化がない場合でも、少なくとも二年に一回は調整しなくてはならない。
使用者は、当該地域の最低賃金基準が公布されてから10日以内に、その全労働者にこれを公示しなければならない。これに違反する場合、労働行政部門は期限を設け改善を命じなければならない。その他使用者が労働者に支払う賃金は、残業代、特別手当、保険、福利などを除いた金額が、現地の最低賃金基準未満であってはならない。もし使用者が職員に支払う賃金が最低賃金基準未満である場合、労働保障行政部門は期限を設け不足分を補填するよう命じなければならず、また不足賃金の一~五倍の賠償金を労働者に支払うよう命じることもできる。