ニューズレター
商標使用許諾を受けた商標権侵害時の刑事告訴の可否
2003年11月28日に施行された改正商標法第69条には、商標法により主務官庁に使用許諾関係を登記した使用許諾者がその使用権を侵害された際の商標権者の民事上の権利救済に関する規定を準用は規定されているが、商標権者が商標権侵害時に為すことができる刑事追訴に係る権利の準用については明文化されていない。経済部智慧財産局はこの問題に対して、我が国の使用許諾登記に関する規定は、対抗要件主義を採用し、外国立法例と異なり、商標権侵害は親告罪ではなく、また、専用使用許諾を受けたライセンシーは、刑事訴訟法の関連規定により告訴又は被害者の身分をもって刑事私訴を提起することができる、との見解を示している(台湾では被害者が自ら加害者の刑事責任を追求するため刑事手続を追行することができる)。
この見解は専用使用許諾についてしか述べておらず、非専用使用許諾を受けたライセンシーは、一般的に刑事訴訟法の被害者には属さないと認められるため、依然として旧商標法のときのように刑事告訴を提起することができるか否かについては定説はなく、裁判所の実務に注目していく必要がある。