ニューズレター
フランチャイザー情報開示についての規範
行政院公平委員会(FTC)は2003年11月20日にフランチャイザーの情報開示に関する規範の改正を決議し、同月25日に発布した。該規範はもともと1999年6月2日に発布され、当時は段階的な方法を採用し、紛争性が比較的低く実行可能性の比較的高い項目をまず開示範囲に入れた。但し、FTCが個別案の処理過程において表面化した、一部のフランチャイザーの加盟店募集過程におけるその他違法の事情は、該規範に包含されていなかったため、4年後、その法執行経験及び国内外の関連規定を参酌し、該規範を新ためて検討した後、改正公布した。
FTCは、以下のように指摘している。
近年、国内のフランチャイズ経営方式は急速に発展し、その営業範囲があらゆる業種に及んでいる。一般的にフランチャイザー(事業本部)の経済的地位は個々のフランチャイジー(加盟店)よりも強く、フランチャイジーが加盟体系の関連情報を取得するのに際しその立場が相対的に不利であることに鑑み、フランチャイズ事業の公平競争を確保するため、フランチャイザーが加盟店募集過程において重要な取引き情報を隠蔽し、フランチャイズ事業の取引き秩序に影響を及ぼすことのないよう、FTCのフランチャイザー情報開示についての規範を定めた。
該規範及びその改正の要点は以下の通りである。
一、情報開示の時期
該規範にはこれまで、フランチャイザーは加盟契約締結の10日前に書面を以って重要な取引き情報を開示しなければならない、と規定されていた。今回はこの時期を改正し、加盟契約締結の10日前に早めた。これは国内のフランチャイザーの加盟店募集実務、即ち、一部のフランチャイザーはその加盟契約締結前に草案又は注文書等の形式を以って加盟希望者と加盟関係を締結するのが通常であり、該加盟希望者から費用を徴収し、該加盟希望者は、フランチャイザーが重要な取引き情報を十分に開示していない状況下において、これらの費用を支払わなければならないこととなる、といった事情に基づいたものである。ゆえに今回の改正では、加盟関係締結前に草案又は注文書等の形式を以って加盟契約を締結する時期を規範に入れた。
二、情報開示の対象
該規範にはこれまで、フランチャイザーはフランチャイジーに対し書面を以って重要な取引き情報を開示しなければならない、と規定されていた。今回の改正ではかかる情報開示の対象を、フランチャイザーとまだ加盟契約を締結していないが、加盟経営関係を締結する予定の加盟希望者に拡大している。
三、開示すべき重要な取引き情報
本規範にはフランチャイザーが取引対象人に対し書面を以って開示しなければならない事項が列挙されており、該事項には以下のものが含まれる。
(一)フランチャイザーの事業名称、資本額、営業住所、営業項目、設立日及び加盟業務の営業開始日。
(二)フランチャイザーの責任者及び主な業務責任者の氏名及び関連事業経営従事の資格職歴。
(三)フランチャイザーが加盟契約締結前及び加盟契約期間中に徴収する加盟権利金及びその他費用、その項目、金額、計算方法、徴収方法及び返還条件。
(四)フランチャイザーが加盟店に授権する商標権、特許権及び著作権等の知的財産権、その出願審査又は取得時期、権利内容、有効期限及び加盟店が使用する範囲及び各制限条件。
(五)フランチャイザーが加盟店に提供する経営サポート及び訓練指導等の事項の内容及び方法。
(六)フランチャイザーの加盟店とその他加盟店又は自営店との間の営業区域に対する経営プラン。
(七)加盟店営業区域の所在地である直轄市、市(県)のフランチャイザーが有する加盟店の事業名称及び営業住所、及びフランチャイザーの前一会計年度の全国及び該加盟店営業区域所在である直轄市、市(県)加盟店、及び加盟契約終了数の統計資料。
(八)加盟契約期間、フランチャイザーと加盟店間の営業関係に係る制限。
(九)加盟契約の変更、終了及び解除の条件及び処理方法。
四、契約検討期間
該規範の第5点には、フランチャイザーは加盟経営関係に関する書面の契約を締結する前、取引き相手に少なくとも5日間の契約検討期間を与え、契約内容を十分かつ詳細に理解させた上で、契約締結の要否について適当な判断を下させなければならない。
近年FTCは、各営業範囲において相対的に強い経済地位を有する事業者に対し、次々と行政規則を発布して規範を強化し、取引き情報の透明化を明確に要求することによって、相対的に弱い立場の取引対象人の保護を図っている。新たに改正されたFTCのフランチャイザーの情報開示についての規範は、事業者がこれに違反する場合、公平交易法第24条規定違反と認める論拠となる。フランチャイザー及び加盟経営関係加入を予定している加盟希望者はいずれも、自らの権益を守るため、該新規定に注意すべきである。