ニューズレター
労委会の競業禁止に関する指針
雇用主は、営業秘密保護の強化を目的に、多くの場合、労働者と離職後の競業禁止の約束を交わしている。しかし、こうした約定は雇用主自身の権益から出ており、労働者の仕事権と就業選択権に対してかなりの制限となっている。労委会は労資紛争を減少させるために、9月に学者や専門家を集め、それぞれドイツ、日本、アメリカの法令規定及び実務案例について研究させて契約手本を作成させており、これを業界の参考に供するとともに裁判官の支持を得て、年末までには全面的に推進できるとを望んでいる。
労委会は、業種ごとに性質の差は大きく、全業種に適用することのできる契約見本の作成は容易でないとしている。したがって、現在の研究議論の方向は契約見本が備えるべき内容を提供することであり、これには書式、制限業種、対象の年限などを明記することが含まれており、年限については最長1年又は2年を超えてはならないといったことが検討されている。また、違約時の賠償金は離職後の時間に応じて計算すべきで、従業員が約束の年限が3分の2過ぎてから新たに就職するのであれば、違約金は3分の1だけ賠償すべきであるといったことや、労働者の就業上の補償の提供などについても検討討議されている。