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WTOの加盟に伴う特許実務の動き



2002年1月1日、台湾のWTOへの加盟正式に伴い、特許に係る法令及び実務は若干変更された。その要点は次のとおりである。

1.1997年5月7日に公布された改正特許法の施行

1997年5月7日に公布された改正特許法の改正条文(合計14条)は、2002年1月1日から施行される。その骨子は次のとおりである。

(1)外国人の出願に係る微生物の新品種に対する特許保護の制限を撤廃する。

①中華民国が関税及び貿易に関する一般協定(GATT)に加盟し、且つその協定の貿易関連知的所有権協定(TRIPs)適用後満1年経過するまで;又は
②上記の外国人が属する国家が中華民国と微生物新品種について互恵保護条約或は協定を結ぶ。


(2)農薬、医薬品又はその製造方法に関連する特許権存続期間の延長登録の出願は、特許権者が外国人である場合、その外国人の属する国が中華民国と二国間互恵条約又は協定を締結している場合に制限する規定を撤廃する。

(3)外国人特許権者の輸入権の制限を撤廃する。

①中華民国が関税及び貿易に関する一般協定(GATT)に加盟し、且つその協定の貿易関連知的所有権協定(TRIPs)適用後満1年経過するまで;又は
②上記の外国人の属する国家が中華民国と互恵保護条約或は協定を結ぶ。


(4)善意の実施権者は、無効審判請求により取り消された後も依然として実施し続けた場合、発明及び実用新案特許権者に使用料を支払わなければならない旨の規定が付加された。

(5)半導体技術に関する特許の強制実施権の請求については、法定事由を公共利益を促進する非営利の使用、又は特許権者に不正競争の事実がある場合に限定するため、半導体技術に係る特許の強制実施権の規定を改正した。

(6)特許強制実施権の取消しの対象は、公の利益の使用及び不正競争だけではなく、第78条による所定の全ての法定事由に基づき取得された強制実施権に拡大するため、強制実施権の取消しに係る規定を改正した。

(7)「再発明又は製造方法発明が表現した技術は、原発明又は物品発明と比較とし相当の経済意義を有する重要な技術的改良」であることが前提要件とされるため、再発明の特許権と原発明の特許権から生じる強制実施権の規定を改正した。

(8)特許表示の規定について、特許の物品或はその包装に特許証の番号を表示することを発明特許権者に要求し、且つ発明特許権者は、実施権者又は強制実施権者に特許証番号の表示を要求することができ、表示がない場合、損害賠償を請求することができないと改正された。但し、特許権侵害者が、当該物品が特許物品であることを明らかに知っていた場合、又は知っていたはずであることを証明できる事実がある場合は、この限りでない。

(9)特許権者又は専用実施権者は、特許権を侵害した物品又は侵害行為に用いた原料或は設備について、廃棄又は処置を請求することができる規定が付加された。

(10)立証責任の転換に関連する規定が改正された。これまでの実務によれば、特許を受けた製造方法を侵害された時、特許を受けた製造方法により製造された物がその製造方法について特許出願がなされる前に国内又は国外にみられなかった場合は、その特許方法により製造した物と推定する。但し、被告は反証を挙げて当該推定を覆すことができる。今回の改正により「被告が、当該同様の物品を製造した方法と特許を受けた製造方法とが異なることを証明した場合に限り、反証を提出したものとみなす」こととなる。一方、被告が証拠(又は反証)として開示した製造及び営業に係る秘密の合法的な権益に対し、充分な保障を与えるため、関連規定も併せて改正された。

(11)意匠権の存続期間に係る規定を改正し、意匠権の存続期間は出願日から12年をもって満了することとする。

(12)意匠権の保護範囲を「類似の意匠物品」に拡大するよう改正された。


2.2001年10月24日公布された改正特許法の施行

2001年10月24日公布された改正特許法の第24条及び第118条の1は、2002年1月1日より施行された。その要点は次のとおりである。

(1)第24条に係る国際優先権の互恵条件を緩和する。外国人の出願人が台湾において国際優先権を請求する際に、その所属する国家が台湾と互恵関係を結んでいない場合は、当該出願人がいずれかの互恵国内に住所又は営業所を有していれば、国際優先権を主張することができる。

(2)第118条の1を新設する。善意の実施権者は無効審判請求により取り消された後も、依然として実施し続けた場合、特許権者からの書面による通知を受領した日から、意匠特許権者に使用料を支払わなければならない。

3.国際優先権に関する知的財産局の実務の動き

台湾はパリ条約の加盟国ではないため、当該条約所定の優先権主張は台湾では認められない。現在、特許優先権の実務は、台湾と他国間互恵関係に従う。2001年の暮まで、優先権主張に関して台湾と互恵関係にある国は、オーストラリア、ドイツ、スイス、日本、米国、フランス、リヒテンシュタイン、イギリス、オーストリア、ニュージーランド及びオランダの11カ国である。台湾のWTO加盟後、「内国民待遇」及び「最恵国待遇」の原則に合致するため、知的財産局は従来の実務を変更して、優先権互恵国家の適用範囲を全てのWTO加盟国及び台湾と互恵関係がある非WTO加盟国に拡大する。

知的財産局は国際慣例を参酌し、次の問題に対する処理原則を検討、確認している最中である。

(1)WTO加盟国の国民が、2002年1月1日以降、台湾における国際優先権を請求する場合、遡及的に主張することが可能か否か?
(2)WTO加盟国の国民が台湾における国際優先権を請求する出願の対応基礎出願が、既にいずれかの互恵国家を指定したヨーロッパ特許案(EP)、又は国際協力条約特許案(PCT)である場合、当該国際優先権を主張できるか否か?

(3)1997年5月7日に公布された改正特許法の規定によると、外国人の出願人は微生物の新品種に係る特許保護の請求を認められるが、当該規定は、2002年1月1日以前に提出された特許案にも遡及的に適用するか否か?


今回の特許実務変更に関連するものがあれば、当所は今後の動向に注目し随時報告する。
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