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特許法の改正及び施行



現行特許法は、1994年1月4日に改正・公布され、同年1月23日に施行された。世界貿易機構(WTO)のTRIPs(貿易関連知的所有権に関する協定)基準に従い、立法院は、1997年4月に同法の一部を改正し、同改正は、1997年5月7日の大統領公布のとおり、台湾のWTO加盟後(2002年1月1日)に正式施行される。

前述の改正後も、立法院は2001年10月4日に再び特許法を改正し、その条文は大統領により2001年10月23日に公布された。同改正案の第24条及び第118条の1を除く条文は、2001年10月26日から既に施行されている。

今回の特許法改正の要点は次のとおりである。

1.先願の地位の明確化

出願した発明(又は実用新案)が、先に出願されかつその出願後に公開或は公告されている発明(又は実用新案)の明細書或は図面の内容と同一である場合、発明(又は実用新案)特許を取得することはできない。但し出願人が先の発明(又は実用新案)の出願人と同一である場合はこの限りではない。また意匠についても同様の原則が適用される。

2.出願日取得に必要な書類に関連する規定の緩和

宣誓書及び出願権証明書類は補充可能な書類とし、出願日取得に必要な書類としない。

3.国際優先権

優先権請求に関わる互恵要件の緩和現在の実務では、出願人が外国人である場合、以下の2項の互恵規定の両方に合致して初めて優先権を主張することができる。

(1)出願人が同一の発明、実用新案、意匠について中華民国と互いに優先権を承認しあう外国において、法に従い、初めて特許を出願している。

(2)出願人が所属する国家が中華民国と既に優先権互恵関係を有している。

国際規範との整合性を確保するため、出願人が所属する国家が台湾と互恵関係に無い場合でも、当該出願人がいずれかの互恵国領域内に住所又は営業所を有するならば、優先権を主張することができる。なお、本改正条文の施行日は行政院の指定により、2002年1月1日となっている。

また、国際優先権を主張する場合、特許出願と同時に、願書に国外における出願日、出願番号及び出願を受理した国名を明記しなければならない。但し、出願当時に出願番号が分からない場合、願書にその旨を明記し、出願日の翌日から3ヶ月以内に優先権証明書類及び同一出願であることを証明する書類を提出すればよい。

4.国内優先権制度の導入

出願人が中華民国において先に出願した発明又は実用新案に基づき特許出願を再提出する場合、先願の出願時の明細書又は図面に記載される発明又は創作について優先権を主張することができる。但し、次のいずれかの事情がある場合、国内優先権を主張する事ができない。

(1)先願の出願日から既に12ヶ月が過ぎている場合。
(2)先願に記載される発明又は創作について、既に台湾の特許法の規定により国際優先権又は国内優先権が主張されている場合。
(3)先願が特許法第32条第1項の規定により出願された分割出願、又は第101条の規定による変更出願である場合。
(4)先願が既に査定された場合。


なお、主張する優先権日は、改正特許法の施行日以前とすることはできない。

5.微生物寄託及び寄託証明書類提出に関する規定

(1)寄託証明書類の提出
微生物に係る発明特許の出願人は特許出願の翌日から三ヶ月以内に寄託証明書類を提出しなければならない。期限を過ぎても提出しない場合は寄託していないものと見なす。
(2)微生物の寄託
微生物新品種或は微生物を利用する発明特許については、出願人は出願前に中華民国内において寄託を完了していなければならないが、当該微生物がその技術を熟知する者によって容易に入手できるものであれば、寄託する必要はない。ただし、台湾における出願前に台湾の特許主務機関が認可した国外の寄託機関に寄託していれば、出願時にその事実を明記し、出願日の翌日から三ヶ月以内に国内寄託証明書類及び国外寄託機関の証明書類を提出するものは、上述の規定は適用されない。


6.先願主義及び一発明一出願原則の合理化

同一人による出願であるかまたは二人以上による出願であるかに係わらず、同一の発明又は創作について2以上の出願を提出するとき、先に出願したものにのみ特許が認められる。

但し、後願の優先権日が先願の出願日より早い場合は、この限りではない。

7.追加特許制度の廃止
追加特許制度は廃止される。改正条文第136条の1の規定により、特許法の改正施行前に既に提出し且つ審査が確定していない追加特許、又は追加特許権が依然として存続しているものは、改正前の追加特許に関連する規定に従い処理する。

8.発明特許早期公開制度の導入

企業による研究開発への重複投資を回避するため、発明特許の早期公開制度を導入する。特許主務機関は発明特許願書類を受領した後、審査の結果規定の方式に合致し且つ公開すべきでない事情が無いと認められた場合、出願日から18ヶ月後に当該出願案を公開しなくてはならない。前記の18ヶ月の期間は、優先権の主張がある場合、優先権日の翌日から起算する。2以上の優先権を主張するときは、最も早い優先権日の翌日から起算する。

特許主務機関は出願人の請求により当該出願案の公開を繰り上げることができる。但し、以下のいずれかの事情に該当する場合は公開されない。

(1)出願の翌日から15ヶ月以内に取り下げられた場合。
(2)国防機密或はその他の国家安全機密に関係する場合。
(3)公共の秩序又は善良な風俗に反する場合。


また、特許出願の翌日から3年以内に、何人も特許主務機関に対し実体審査を請求することができる。実体審査の請求は取り下げることができず、法定期間内に実体審査を請求しない場合、当該出願案は取り下げられたものとみなす。微生物新品種或は微生物を利用する発明特許の出願人が実体審査を請求する場合、寄託機関が発行する生存証明を提出しなければならない。実体審査の請求が他人によってなされた場合、特許主務機関は期間を指定し、発明特許出願人に対し生存証明を提出するよう通知する。

特許出願の公開後、査定公告前に、特許出願者ではない商業上の実施者がいる場合、特許主務機関は、請求により実体審査を優先することができる。特許出願人は、出願案公開後、書面で特許内容を通知したにもかかわらず、通知後査定公告前、依然として当該発明を実施し続ける商業上の実施者に対し、特許出願の審査が確定し特許権を取得した後、妥当な補償金を請求する事ができる。特許出願案が既に公開されていることを明らかに知りながら、査定公告前に依然として当該発明を実施し続ける商業上の実施者に対しても、妥当な補償金を請求することができる。前記の請求権はその他の権利行使に影響を与えず、審査が確定した日の翌日から2年以内に行使されない場合消滅する。前記の規定は、特許法改正施行日の1年後(2002年10月26日)以降に提出される発明特許案から適用される。

9.出願の補正に関する規定の改正

(1)発明特許出願の補正

特許主務機関は、職権により出願人に対し明細書或は図面を期限内に補充又は補正するよう通知することができる。出願者は特許出願の翌日から15ヶ月以内(関連する案件が既に国際優先権を主張している場合、前記の期間は優先権の翌日から起算する)に明細書又は図面を補充又は修正することができる。特許出願の翌日から15ヶ月がたった後出願人は、次のいずれかの期日或は期間内にのみ明細書或は図面を補充、補正することができる。

①実体審査を請求する時。
②出願人以外の人が実体審査を請求する場合、出願案の実体審査通知が送達された翌日から三ヶ月以内。
③特許主務機関の拒絶理由の先行通知に対する意見書の提出期間内。
④再審査を請求する時、或は再審査理由書を提出できる期間内。
⑤異議答弁期間内
⑥特許主務機関の職権による審査通知答弁の期間内。

(2)意匠登録出願案の補正補充

出願人或は異義申立て人が模型又はサンプルを補充する場合、特許主務機関が必要と認めるとき、現場又は指定された地点で実施検証しなければならない。出願者は、図説を補正・補充する場合、出願の実質を変更することができず、審査公告後補充・補正を提出する場合、誤記の事項又は不明瞭な記載の補正に限られる。

10.発明特許権、実用新案及び意匠権を信託とすることができる旨の規定の追加信託法の制定及び施行により、特許権を信託する事ができる旨の規定を新設する。但し、特許主務機関に登記していない場合、信託は第三者に対抗することができない。特許権が共有されている場合、共有者全員の同意を得ずに共有者の一人が所有部分を他人に信託することはできない。

11.異議申立ての不成立の際の拘束力に関する規定の改正

現行の規定によると、発明、実用新案及び意匠の異議申立ては、裁判確定後、同一の事実及び同一の証拠を以って再度異議申立てを行うことはできない。改正条文では、異議申立てが審査の結果成立しない場合、確定を待たずに、何人も同一の事実及び証拠を以って、新たに異議申立てを行うことはできない。

12.意匠の標的及び特許要件に関する規定の改定

意匠の定義を「物品の形状、模様、色彩又はその結合について、視覚を通じて訴える創作」と改定する。また、意匠の登録要件を(1)産業上の利用可能性、(2)新規性、(3)進歩性を備えるものと改正する。

出願前に同一又は類似の意匠が既に刊行物に記載され又は公然使用されていた場合、その意匠は新規制を喪失する。但し、研究実験で発表又は使用された意匠が、発表又は使用された日から6ヶ月以内に登録出願を行った場合はこの限りではない。また、出願前に展覧会で陳列された意匠は新規制を喪失する。但し、政府主催又は認可の展覧会で陳列され、展覧の日から6ヶ月以内に登録出願された場合はこの限りではない。

13.特許法第107条に定める登録要件の違反を含む、意匠登録異議申立ての法定事由を増やす旨の規定の追加。

14.類似意匠権は原意匠権に従属し単独で主張することはできず、かつ類似の範囲に含まれない旨の規定の追加。

15.発明特許権存続期間を遡及的に延長することができる旨の規定の追加

特許法第50条には「発明特許権の存続期間は、出願日から起算して20年を以って満了とする」と規定されている。また同法第134条には、1994年1月23日前に既に査定公告された発明特許の特許権存続期間は公告日から起算して15年を以って満了とするが、出願日から起算して18年を超えてはならないと規定されている。TRIPs第33条及び第70条第2項の規定に従い、次の但し書規定が追加された:世界貿易機構(WTO)協定が台湾の管轄区域内で発行した日に発明特許権が依然として存続している場合、当該特許権の存続期間は改正後の規定により処理する(即ち、出願日から起算して20年を以って満了とする)。

16.意匠権存続期間を遡及的に延長することができる旨の規定の追加

特許法第109条には「意匠権の存続期間は、出願日から起算して10年を以って満了とする」と規定されている。また同法134条には、1994年1月23日以前に既に査定公告された意匠の権利相続期間は公告日から起算して5年を以って満了とするが、出願日から起算して6年を超えてはならない旨、規定されている。特許法は1997年5月7日に改正され既に意匠権存続期間は出願日から起算して12年に延長されており、並びに台湾がWTOに加盟した後発効するとされている。今回追加された但し書は次の通り:世界貿易機構(WTO)協定が台湾の管轄区域内で発効した日に意匠権が依然として存続している場合、当該意匠権の存続期間は1997年5月7日改正施行後の規定により処理する(即ち、出願日から起算して12年を以って満了とする)。

17.刑事告訴に際しての侵害鑑定報告及び警告状提出義務規定の削除

今回の改正で、特許物品の不法製造及び使用に対する刑事告訴或は自訴には侵害鑑定報告及び警告状を提出しなければならないとの規定は削除された。但し、告訴人或は自訴人は「特許権侵害に関する比較分析報告」を提出しなければならない。

18.侵害鑑定専門機関

旧特許法第131条第4項に定める司法院及び行政院が侵害鑑定専門機関を指定することに関する規定は、修正条文の第131条の1に移行され、以下の規定が追加された:裁判所或は検察官が特許訴訟案を受理する際、前述の専門機関に鑑定を委嘱する。

19.発明特許侵害の非犯罪化

発明特許侵害に対する自由刑の規定は全面的に廃止された。
実用新案及び意匠侵害に対する刑罰規定は変更されていない。

20.意図的な侵害行為に対する懲罰的損害賠償の限度額の引上げ

もし侵害行為が意図的であるなら裁判所は情況に鑑み、損害額以上の賠償を斟酌し決定することができる。特許侵害の非犯罪化修正により、意図的な侵害行為に対する懲罰的損害賠償額の限度額は、従来の損害額の2倍から3倍に引上げる。

20.捜査・押収の実施の際の注意事項に関する規定の追加

捜索・押収の実施により合法的な業者が損害を受けるのを避けるため、次の規定を追加した:裁判官、検察官又は司法警察職員が相当理由を有し、捜査・押収が必要であると認めた場合、被告又は犯罪容疑者の名誉及び財産権に留意し、比例原則に従い、適切な方法で捜査・押収を行うものとする。

今回の改正は重要な実務変更に関連するものがあり、本所は今後の新特許法執行の動向に注目し、随時報告する。
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