ニューズレター
製造物責任保険書の改正
消費者保護法は1994年1月11日付立法院議会にて通過した後、公布・施行された。保険の加入者の権益を守り、且つ消費者保護法の実施に合わせるために、財政部は、各種の責任保険について、その約款、保険料の調整を検討するよう、各保険業者に求めた。特に製造物責任保険について、企業経営者及び消費者に迅速かつ適切な保障を享受させるために、「製造物責任保険書」の改正が行われ、1999年1月1日より改正保険書の適用が始まる。
製造物責任保険業務は1979年5月1日より政府の許可を得て開始されたが、業務があまり展開されず、ここ三年間の保険収入が約7.5億元にとどまるとのこと。今回改正の要点は次の通りである。
1.損害の発生時期が遅れる製品があり、損害発生時が保険期間中にあるか否かを巡る紛争を避けるために、改正前保険書に採用されていた「事故発生基準」を「賠償請求基準」に改めることにした。すなわち、被保険者が第三者から賠償請求を受ける時点は保険期間中にあるか否かを基準とし、時効消滅以前被保険者から請求がある場合、保険者はそれに応じなければならない。
2.改正前の製造物責任保険の対象となる責任には、製造上の欠陥より生じた責任のみが含まれ、製品の設計及び説明に関する欠陥から生じた責任は保険対象外であった。しかし消費者保護法の実施に伴い企業経営者は提供の製品に欠陥がある場合、欠陥の種類を問わず責任を負わなければならなくなり、且つ欠陥の種類の区別について疑義を生じ易いため、今回の改正において上記保険対象外のものに関する規定を削除することにした。
3.外国の保険書を参考に、「商品が予定通りに機能していないため生じた損害責任が保険対象外のものとなる」旨の規定を加えた。
4.製品の販売地域が世界各地に及びことが可能であるため、事故発生後提起された訴訟に出頭するのが困難であること、及び保険コストが製品販売地域により異なることに鑑みて、準拠法の制限及び地域の制限の規定を加えた。
5.「一回の事故」の定義規定を増設。同質性を有する複数の保険金支払について、被保険者を保障するために、絶対的免責歩合が認められることとなった。
6.「一回の事故」で身体及び財産上の損害が生した場合、保険者の責任は、保険契約記載の「事故毎の身体及び財産上の損害の保険金額」を最高限度とし、且つその他各分類の保険金額により制限される旨の規定を追加。その目的は、異なる保険金額の区別の明確化による紛争防止、コンピュータ化の促進及び再保険の実施にある。
7.重複保険又はその他の保険契約が存在する場合の各保険者の負担額は、その各自の保険金額の割合によらず、保険金の割合によってこれを定める旨を規定。
8.保険金額は次の通り定める
(1)身体上の損害(一人当たり) NT$1,000,000~NT$3,000,000
(2)一回の事故による身体上の損害NT$4,000,000~NT$12,000,000
(3)保険期間中の累積保険金NT$10,000,000~NT$30,000,000
9.保険料について、自由化政策を採る。保険料は保険会社が製品の性質、製品の使用期限、販売地域、販売数量、違法損失記録及びその他の資料に基づいてこれを定める。