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秘密保持命令と新旧法の適用について



秘密保持命令とは、訴訟事件において、証拠資料が営業秘密に関わる場合、営業秘密の保有者の申立てにより、裁判所が当該営業秘密について使用または開示を禁止する命令を発令し、営業秘密を保護することを指す。

 

改正前の「知的財産事件審理法」(中国語:「智慧財產案件審理法」。以下「知財審理法」という)第11条第1項によれば、営業秘密を保有する当事者または第三者に限り、裁判所に対し秘密保持命令の発令を申し立てることができる。

 

これまでの裁判実務において、裁判所は訴訟手続を円滑に進めるために、秘密保持命令の発令や営業秘密に関する訴訟資料の開示が必要であると認めた場合、当事者または第三者に対し、秘密保持命令の申立てを行うよう促していたが、一部の当事者は申立てに同意しつつも、命令を受ける対象を意図的に限定し、例えば、相手方企業の弁護士のみに限定し、相手方企業の代表者には及ばないようにすることがあり、その結果、両者間の十分な意思疎通が図れず、訴訟上の答弁に支障をきたすこととなった。こうした状況を踏まえ、2023年8月30日に改正・施行された知財審理法第36条第3項では、相手方または当事者が、秘密保持命令を受けていない者に対して秘密保持命令を発令するよう裁判所に申し立てる権限が認められている。ただし、その際には、あらかじめ当事者または第三者の意見を聴取しなければならない。

 

訴訟事件において新旧法の適用が問題となる場合、改正後の知財審理法第75条第1項に基づき、訴訟が裁判所に係属した時点の法律が適用される。改正法の施行前にすでに裁判所に係属していた場合は、改正法の施行前の規定が適用される。しかし、最高裁判所が2024年1月18日に下した112年(西暦2023年)度台声字第1475号民事裁定では、たとえ事件が知財審理法の改正前にすでに裁判所に係属していたとしても、裁判所は相手方または当事者の申立てに基づき、かつ当事者または第三者の意見を聴取した上で、秘密保持命令を受けていない者に対して秘密保持命令を発令することができるとの見解を示した。

 

また、別の事件の申立人は、前記の最高裁判所の裁定を引用し、当該事件には改正前の知財審理法が適用されるものの、改正後の知財審理法第36条第3項を類推適用することができると主張し、また、相手方が請求人の訴訟代理人に対してのみ秘密保持命令の発令を申し立て、申立人の法定代理人を除外することはできないとも主張した。しかし、知的財産および商業裁判所(以下「IPCC」という)は2026年6月12日付で115年(西暦2026年)度民秘請上字第1号裁定を下し、改正後の知財審理法第36条第3項を類推適用できると認めたものの、最終的には申立人の主張を採用しなかった。

 

IPCCは、裁定の理由において次のように指摘した。同裁判所は2026年2月26日、本件について中間判決を下し、相手方が製造・販売した係争製品が係争特許1の請求項1の文言の範囲に属すると認めた。現段階では、申立人による損害賠償、侵害の差止め・防止、廃棄などの請求について審理が進められており、相手方が提出した証拠が損害賠償額の算定に十分であるかどうかを、双方の訴訟代理人が確認するのを待っている状況である。相手方に争いがある場合は、係争製品の名称および対応する日付をメモしておくことができ、裁判所は状況に応じてその後の審理方法を決定する。したがって、IPCCは、現段階において、申立人の法定代理人に対して秘密保持命令を発令する必要はないと判断した。

 

裁判所においては、改正知財審理法の施行前にすでに裁判所に係属していた事件についても、改正後の同法を類推適用することができるというのが通説となっているようである。しかし、個別の事案において、秘密保持命令の受けるべき者の範囲をいかに適切に特定すべきかについては、引き続き注目すべき点である。

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