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スポーツイベントの景品に関する著作権および公平法上の問題



企業が大型スポーツイベントなどの催しで配布する機能性バックパックについて、その外観デザインが市販されている既存のアウトドア向け機能性バックと類似している場合、著作権侵害や不正競争に該当するおそれがあるのか、この点について、知的財産および商業裁判所(以下「IPCC」という)が2026429日に下した114年(西暦2025年)度民著訴第89号民事判決における分析および判断は、注目に値する。

 

原告はアウトドア機能性アクセサリーブランドであり、コード、アジャスター、開口部の構造、左右のドローストリングのデザインを採用し、登山やキャンプを連想させる機能性バックパック(以下「原告商品」という)をデザイン・販売している。原告は、自社の商品が著作権法により保護される美術著作物に該当し、被告が主催するトライアスロン大会で参加選手に提供したバッグ(以下「係争商品」という)が原告商品の外観デザインと類似しており、原告の複製権を侵害していると主張した。さらに、原告商品と係争品の販売対象はいずれもスポーツ愛好者であり、被告の行為は消費者に混同・誤認を生じさせ、公平交易法(日本の「不正競争防止法」及び「独占禁止法」に相当。以下「公平法」という)第25条にいう取引秩序に影響を及ぼすに足りる欺罔行為または著しく公正さを欠く行為に該当すると主張した。しかし、IPCCの上記判決は、原告の主張を全面的に否定する見解を示した。

 

著作権侵害の問題において、IPCCは、当該商品のデザインが美術的技法によって思想や感情を表現したものであるか、それとも商品の機能を確保するために実用的な機能性のみを備えたものであるかを、そのデザインが著作権法によって保護される美術著作物に該当するかどうかを判断する際の考慮要素としている。したがって、IPCCは、原告商品の全体的な造形およびデザインの主な目的は、携帯しやすさやバックとしての収納機能を効果的に発揮させるという実用性にあり、美術的技法によって思想や感情を表現したことにはないこと、また、そのバッグのデザインは市場で一般的に見られるバックの様式であることを理由として、原告商品は著作権法の保護を受ける美術著作物であると認めるには足りないと判断した。

 

公平法に関する部分について、IPCCは、原告商品のバッグのデザインは市場で一般的に見られるバックの様式であるため、その外観が原告の商品の表徴(トレードドレス)に当たると認められるかについては疑義があると判断した。また、原告は、自社商品の外観が関連する事業者や消費者の間で広く認識されていることを立証しておらず、さらに被告は係争商品に当該スポーツイベントのロゴを明確に表示していたことから、被告会社に消費者の誤認を招いたり、原告の努力の成果にただ乗り(フリーライド)したりするような不公正競争行為があったとは認めがたい。

 

本判決から見て、アウトドア向け機能性バッグなど、機能性を重視した商品については、その商品デザインが、美的感覚を思想や感情の創作的な表現としての特徴を併せ持つことを裁判所に納得させることができない場合、あるいはその外観デザインが市場において一定程度の識別力を有していることを立証できない場合、その商品が著作権法や公平法による保護を受けると主張することは、かなり困難であると考えられる。

原告商品
係争商品
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