ニューズレター
製品設計行為は専利法上の「実施行為」に該当するか
専利法(専利:特許、実用新案、意匠を含む)の規定によれば、特許権者は、他人がその同意を得ずに、その発明を実施することを排除する権利を専有する。ここでいう実施とは、専利製品を製造、販売の申し出、販売、使用、またはこれらを目的として輸入をする行為を指す。このうち、「製造」とは、過去の裁判例によれば、請求項(クレーム)に記載されたすべての技術的特徴を備えた物を作り出すことを指す(知的財産および商業裁判所(以下「IPCC」という)113年(西暦2024年)度民専上字第16号民事判決参照)。
しかし、製品開発のプロセスにおいて、製品設計と製品製造は異なる段階の行為である。そのため、コンセプトの構想から具体的なスキームの策定に至るまでの創造的プロセスを含む製品設計行為についても、専利の実施に該当するとみなすことができるかについては、議論の余地がある。
IPCCは、2026年3月18日付の113年(西暦2024年)度民専訴字第48号民事判決において、この問題について肯定的な見解を示した。同裁判所は、集積回路(IC)チップの製造プロセスは、上流の設計、中流の製造、下流のパッケージング・テストなどの各段階から成り立っており、設計段階はその後の製造およびパッケージング・テストを行うための不可欠な前提要件であることから、チップの設計行為は製造工程の一部とみなされるべきである。本件の被告は設計のみに関与し、製造には直接関与していなかったものの、最終的にIPCCは、被告がこれを理由に侵害責任を免れることはできないと判断した。