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第三者が公開した意匠について、グレースピリオドの適用を主張できるか



技術の流通を促進し、専利出願人(専利:特許、実用新案、意匠を含む)の権利保護との均衡を図るため、台湾専利法第22条第3項、第120条および第122条第3[1]は、特許・実用新案登録・意匠登録の出願について「グレースピリオド」(Grace Period、猶予期間)を規定している。これに基づき、出願人が「その本意によりまたは本意に反して公開され、当該公開の事実が発生してから」12ヶ月以内に特許または実用新案登録を出願するか、または6ヶ月以内に意匠登録を出願した場合、その公開事実は当該出願の新規性および進歩性/創作性の判断に影響を及ぼさない。

 

グレースピリオドの事由に関する行為主体については、「出願人」以外にも、専利法施行細則第15条、第45条および第48条に基づき、相続、譲受、雇用または出資関係により専利出願権を取得した者は、その被相続人、譲渡人、被雇用者または被招聘者の出願前の公開行為についても、グレースピリオドの適用を受けることができる。また、特許審査基準には「新規性または進歩性喪失の例外に係る公開の事実のは出願人または第三者でなければならない。ここでいう出願人には、出願人の前権利者も含まれる。前権利者とは、特許出願権の被相続人、譲渡人、または出願権者の被雇用者もしくは被招聘者等を指す。ここでいう第三者とは、出願人の発明の技術内容を公開した出願人以外の者を指し、例えば、出願人から委任・同意・指示を受けた者、秘密保持義務に違反した者、または脅迫・詐欺・窃取などの不正な手段で発明を取得した者などである」と記載されており、意匠審査基準にも類似の規定がある。したがって、第三者が出願人の同意に基づいて、または不正な手段による漏洩によって出願人の発明や意匠を公開した場合にも、グレースピリオドが適用される可能性がある。ただし、第三者が公開したものが独自に開発した発明や意匠であった場合は、どのように取り扱うべきかは疑問が残る。

 

意匠に関して、知的財産および商業裁判所(以下「IPCC」という)が最近下した114年(西暦2025年)度民専訴字第19号判決(判決日:20251217日)は、このような状況下ではグレースピリオドの適用はないとする趣旨のようである。その論理の概要は以下のとおりである。

 

1.新規性のグレースピリオドを主張したからといって、新規性の保護が自動的に得られるわけではない。たとえ新規性のグレースピリオドの適用が可能であっても、その期間中に第三者が同一の意匠を公開または登録出願した場合、グレースピリオドは他人による先願という事実を排除することができないため、当該意匠はその公開により新規性または創作性を喪失することになる

2.係争製品の販売日がグレースピリオド内(本件のグレースピリオドは202391日から202431日まで)である場合、その期間中に第三者による公開があったため、原告の係争意匠は新規性または創造性を喪失し、無効となる。しかし、販売日が係争意匠の出願日以降であれば、被告の行為は侵害に該当する

 

また、特許についても、これまでに同様の見解を採った判決がある。例えば、知的財産および商業裁判所民事判決113年(西暦2024年)度民専訴字第24号判決(判決日:20241212日)は次のように指摘している。「被告は前述の第三者には該当せず、すなわち被告は原告から委任・同意・指示を受けていない者、秘密保持義務に違反した者、または脅迫・詐欺・窃取などの不正な手段で発明を取得した者ではなく、被告が購入した係争製品は、他人による独立発明である可能性があり、…その公開行為の主体は他人であり、これは他人の独立発明の公開に該当する。原則として、当該発明は新規性または進歩性の喪失の例外に関するグレースピリオドの適用を受けないものと推定される。その公開事実の技術的内容は、特許出願に係る発明が新規性または進歩性を有するか否かを判断するための従来技術に該当する。したがって、グレースピリオドが適用されるとする原告の主張は理由がない」。

                                                                                          

[1]専利法第22条第3項は「出願人の本意によりまたは本意に反して公開され事実があり、当該公開の事実が発生してから12ヶ月以内に出願した場合、当該事実は第1項各号または前項にいう特許を受けることができない事由に該当しないものとする。」、専利法第120条は「第22条の規定は、…実用新案登録に準用する。」、専利法第122条第3項は「出願人の本意によりまたは本意に反して公開され事実があり、当該公開の事実が発生してから6ヶ月以内に出願した場合、当該事実は第1項各号または前項にいう意匠登録を受けることができない事由に該当しないものとする。」と規定している。

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