ニューズレター
デジタルコンテンツの転売や共有による著作権侵害の可能性
著作権法第22条第1項、第26条の1第1項によれば、著作者はその著作物を複製し、公衆送信する権利を専有する。実務上、著作権者がその著作物の原作品または合法的な複製物の所有権を販売または譲渡した場合、購入者はそれを自由に転売することができ、これが「権利消尽の原則」という概念である。しかし、著作物のデジタル化が日増し普及する状況の下、デジタルンコンテンツの複製は「複製」行為に該当することから、デジタルコンテンツの譲渡や共有は、物理的実体のある著作物(実体書籍やオリジナルソフトウェアなど)のように一律に「権利消尽の原則」によって保護され自由に譲渡できるわけではない。この制限は、会員制やオンライン教育の場面で特に顕著である。
知的財産及び商業裁判所(以下「IPCC」という)113年(西暦2024年)度民著訴字第71号判決において、次のような事実関係が示された。原告は会員制で講座を販売するオンライン講座プラットフォームを運営し、被告はプラットフォームに会員として登録しオンライン講座を購入した後、講座プラットフォームから講座の動画を画面録画したり教材をダウンロードしたりして、他のネットユーザーがダウンロードできる状態にし、さらに受講費用の分担を協議していた。IPCCは本判決で、被告が他のネットユーザーに講座動画や教材をダウンロードさせた行為は、原告の複製権および公衆送信権を意図的に侵害するものであるとし判断した。また、被告が他人と共同で講座を購入したことにより、原告が他の会員から講座を購入される機会を失い、売上収入の減少という損害を被ったとして、被告の損害賠償責任を認めた。
損害賠償の算定に関して、IPCCは、講座動画は講師が講座内容を収録した視聴覚著作物であり、講座教材は講座内容を文字で表現した言語著作物であるとの判断を示した。両者はそれぞれ異なる著作権に該当するため、損害額も個別に算定すべきと述べた。IPCCは、損害賠償額を算定する際に多くの要素を考慮し、例えば、係争講座の定価が8,000台湾元から19,960台湾元の間であったこと、被告が実際に購入した価格が6,130台湾元であったこと、また被告が他の21人と共同購入したことにより、原告は少なくとも128,730台湾元(6,130元×21=128,730元)の売上収入を失ったことなどを挙げた。最終的にIPCCは、本件13件の講座について、それぞれ6万台湾元(動画と教材で各3万台湾元)または4万台湾元(動画と教材で各2万台湾元)で算定し、被告に対し計34万台湾元の損害賠償の支払いを命じた。この賠償額は、原告が失った売上収入を上回る金額となっている。
上記IPCCの判決趣旨によると、オンライン講座は著作権法によって保護されている。著作権者の許可なく、複製、録画、ダウンロード、または共有(ファイルの送信、アカウントの共有、公開アップロードなど)を行う行為は、いずれも著作財産権の侵害とみなされる可能性がある。侵害が認められた場合、支払うべき賠償額は、他の会員による講座購入の機会を喪失したことにより原告が被った売上減少額を上回る可能性がある。