ニューズレター
インテリアデザインおよびその竣工写真は、著作権法の保護対象となるか—知的財産および商業裁判所113年(西暦2024年)度民著訴字第73号民事判決
一、事案の概要
(一)原告の主張は次のとおり。被告の責任者はかつて原告の元従業員でプロジェクトマネージャーを務めていた。在職中、自ら係争インテリアデザイン案件の竣工写真を撮影し保管していた。当該責任者は退職後、上記のインテリア写真を「栄設計Facebookファンページ」に掲載し、被告の顧客獲得のために利用した。当該責任者は上記写真を係争ウェブページに掲載し、係争インテリアデザイン案件の作品がすべて自身の手によるものであるかのように消費者に誤認させようとした。これは原告が完成させたインテリアデザインの成果を搾取する行為に該当し、被告は原告の営業上の信用名声にただ乗り(フリーライド)するものであり、著しく公正さを欠く手段によって取引秩序に影響を与えたものと認められるべきである。
(二)これにより原告は、著作権法第84条、第88条の1に基づき、侵害物の削除を請求するとともに、民法第195条第1項後段および著作権法第89条に基づき、被告に対し、判決内容の新聞掲載を請求した。さらに、原告は公平交易法(日本の「不正競争防止法」および「独占禁止法」に相当)第25条、第29条に基づき、被告に対し侵害の排除および防止を請求した。
二、本件の主な争点:系爭インテリアデザイン案件の完成品は、著作権法で保護される著作物に該当するか。該当する場合、どの種類の著作物に属するか。
三、裁判所の見解
(一)系爭インテリアデザインの写真は、著作権法で保護される建築著作物に該当しない
インテリアデザインが建築物の構造と密接に結合しているか、建築物の内部に付随している場合、建築物の内部空間から分離不能または居住使用上分離困難な一部となり、さらにその全体的なデザインを通じて作者の個性および独自性を表現しおり、単なる一般的な内装配置や、建築著作物の本質と無関係な家具・装飾品の配置に留まらない場合は、「建築著作物」として著作権法による保護の対象となり得る。しかしながら、原告は、当該建築物内部の空間配置、組み合わせおよびデザインが建築物の構造と密接に結合している等の要素に関する事実を具体的に述べておらず、またこれを立証する証拠も提出していない。したがって、これらの写真が建築著作物であるとする原告の主張は、明らかに採用できない。
(二)インテリアデザイン案件の写真は撮影著作物ではない
撮影者が撮影時に、被写体の選定、光の照射方法、フォーカス調整、速度制御、またはシャッターの使用などのテクニックにおいて、個人の独立した創造性を有し、一定の創作水準に達している場合、その撮影された写真は撮影著作物として著作権法による保護を受ける。原告の写真は、被告の責任者が原告会社が施主から依頼された内装デザインを完成させた成果物を記録したにすぎず、当該責任者が撮影時に心中に浮かんだ独創的な発想を表現したものとは認められない。また、これらの写真には、撮影過程において、撮影テーマ、被写体、撮影角度、構図などの選択および調整が示されておらず、創作者の思想や感情も表現されていない。写真の撮影角度、構図配置、光の明暗から判断すると、これらの写真は単に完成した作品を景物の実体として機械的に表現したにすぎず、著作権法上の撮影著作物に求められるオリジナリティ(創作性)の要件を満たしているとは認め難い。以上を総合すると、本件において知的財産および商業裁判所(以下「IPCC」という)は、係争インテリアおよびその竣工写真はいずれも著作権法上の建築著作物および撮影著作物には該当しないと判断した。
四、雲朗観光v. 桂田璽悅事件判決におけるインテリアデザインが著作権法による保護対象となるかについての判断
雲朗観光が運営する君品ホテルと桂田璽悅の桂田ホテルとの間でのホテル客室デザインに関する著作権紛争において、IPCCの一審判決[1]および二審判決[2]はいずれも、インテリアデザインは著作権法による保護対象となる「その他の建築著作物」として認められるとした。再審判決[3]はさらに、インテリアデザインは著作権法による保護の対象となり得るものの、その保護範囲からは建築著作物の本質と無関係な家具・装飾品の配置やその他の慣用的な配置は除外されるべきであると判示した。
五、関連判決から学ぶこと
(一)IPCCの実務見解では、基本的にインテリアデザインは著作権で保護される対象であり、「その他の建築著作物」の一種と認められる。著作権法上のオリジナリティおよび創造性という一般的な保護要件を満たす必要があるほか、インテリアデザインが建築物の構造と密接に結合していることを示す必要がある。さらに、建築著作物の本質と関連するものでなければならず、建築著作物の本質と無関係な家具・装飾品の配置やその他の慣用的な配置は、著作権法による保護対象とはならない。
(二)したがって、インテリアデザインが著作権法による保護を受けるためには、ハードファニッシングやソフトデコレーションのデザインを通じてデザイナーの個性や独自性を表現し、単に慣用的な家具・装飾品の配置に留まらないようにすることが推奨される。また、関連する証拠を提出し、建築物内部の空間配置、組み合わせ、デザインのオリジナリティと創造性、ならびに建築物の構造との密接な結合といった事実を説明し、インテリアデザインに対する保護を最大限に図るべきである。
[1]知的財産及び商業裁判所104年(西暦2015年)度民著訴字第32号民事判決
[2]知的財産及び商業裁判所107年(西暦2018年)度民著上字第16号民事判決
[3]知的財産及び商業裁判所110年(西暦2021年)度民著上更(一)字第1号民事判決