ニューズレター
智慧局が電子方式による優先権証明書類の提出を認める
現行の専利(特許、実用新案登録、意匠登録を含む)実務において、優先権の主張を伴う専利出願は、出願人は期限内に、基礎出願の外国特許庁に公告された優先権証明書類の正本を智慧財産局(台湾の知的財産権主務官庁。日本の特許庁に相当。以下「智慧局」という)に提出しなければならない。智慧局は2016年6月29日付けで「専利法施行規則」(以下「本規則」という)を改正公布し、当該改正により優先権書類の方式審査に関する規定が緩和された。
本規則改正後の第26条に基づき、優先権書類の提出規定に関し、専利出願人は以下のいずれかの方式を優先権書類の提出方式として選択することができる。
1. 優先権証明書類の正本の提出
2. 外国特許庁が公告した優先権証明書類の光ディスクによる提出
3. 専利出願を受理した外国特許庁のウェブサイトからダウンロードした優先権証明書類の提出
4. 専利権証明書類の正本のコピーの提出
即ち、改正後の本規則に基づき、専利出願人は異なる方式で、優先権書類の提出に関する規定(優先権証明書類の正本の提出ではない)に従うことができる。例を挙げて言うと、専利出願人が期限(優先権書類の提出期限)内に優先権証明書類の正本を台湾の特許事務所に郵送することができない場合、優先権主張の規定に従うため、電子メールで優先権書類を台湾の特許事務所に送付することができる。
新しい専利出願の実務運用は2016年6月29日より発効し、その適用範囲は以下のとおりである。 (1)2016年6月29日以降の専利出願、及び (2)2016年6月29日以前の専利出願であるが、優先権書類の提出期限は6月29日以降である。
改正後の本規則に基づき、専利出願人が上記3又は4の方式を選択する場合、専利出願人又は専利代理人は電子方式で優先権書類を光ディスクに保存し、又は光ディスクを智慧局に提出しなければならない。このほかに、特許代理人に、優先権書類の原本とその写し(コピー)が同一である旨の申告書(個別案件ごとの申告書発行)を提出する権限を付与しなければならない。