取引秩序を維持しかつ消費者の権益を保障するため、事業者が不当な比較広告をもって取引相手をミスリードし、不正競争を形成することのないよう、公平交易委員会（「公正取引委員会」。以下｢公平会｣）は2010年12月10日に「行政院公平交易会対於比較広告案件之処理原則」（「行政院公平交易委員会の比較広告案件に対する処理原則」。以下「本処理原則」）を公布し、もってその守るべき規範とした。

本処理原則にいう「比較広告」とは、事業者が広告において、それが提供する商品又は役務（「商品」）の特定の項目について、他の事業者と比較を行うことにより、その取引機会を増進することを指す。原則上、業者が比較広告を扱う際には、次に掲げる原則を遵守しなければならない。

一、

自身と他の事業者の商品についての表示又は表徴は、広告内容と実際とが合致していなければならない。

二、

公正かつ客観的で、比較基準の適切な方法でこれを行わなければならない。

本処理原則には、以下の違法類型を列挙し、業者の参考として供する。

一、

事業者は比較広告において、自身の商品について虚偽不実又は人に誤解を生じさせる表示又は表徴を使用してはならない、

二、

事業者は、競争を目的として、不実な事情を陳述又は流布し、明示されている又は特定できる、事業者の営業上の信用を損なうような比較結果を使用してはならない、

三、

事業者は、比較広告において、比較される事業者を明確に指摘するか否かにかかわらず、他の事業者の商品の比較項目について、以下に掲げる欺瞞的な又は明らかに公正を欠く行為をしてはならない、

（一）

他の事業者の商品について虚偽不実な又は人に誤解を生じさせる表示又は表徴を使用すること。

（二）

新旧又は異なる等級の商品について互いに比較すること

（三）

同じ商品に対する比較に、異なる基準又は条件を採用すること。

（四）

比較に引用した資料の出所が客観性を具えない、又は公認の比較基準を欠いている、又は引用資料について不適切な要約若しくは解釈を行うこと。

（五）

裏づけのない又は調査・証明のなされていない比較項目を懐疑的、憶測的、主観的な陳述により比較すること。

（六）

ある一部分の優位な点を全面的に優位であると主張する比較、若しくは比較項目において自身が比較的優位な項目のみを明示し、他の事業者が比較的優位な項目については意図的に無視することによって、全体的な印象に不公平な比較結果をもたらすこと。

（七）

その他、重要な取引事実について欺瞞的な又は明らかに公正を欠いた比較をすること。

事業者が上記の規定に違反する場合、「公平交易法」（※日本の「不正競争防止法」「独占禁止法」の要素が含まれる）第21条、22条又は24条の違反を構成する可能性がある。