ニューズレター
特許権侵害訴訟停止裁定は正当性を備えていなければならない
「専利法」第90条第1項には「発明特許権に関する民事訴訟について、出願、無効審判、又は取消が確定するまで、審判を中止させることができる」旨明確に規定されている。しかし、「専利法」第90条第2項の規定によれば、裁判所は、前項の規定により審判中止の裁定を下すとき、無効審判提起の正当性に留意しなければならない。「専利法」第108条及び第129条第1項によれば、上記規定は実用新案及び意匠にも準用される。最高裁判所2006年度台抗字第173号民事裁定は当該条項について、「裁判所は、出願、異議申立、無効審判、又は取消が確定するまでの間、訴訟手続中止が適当であると認めた場合にのみ審判中止の裁定を下すことができる。いったん特許権無効審判が提起されたら、すぐさま審判停止の裁定を下さなければならないというわけではない」と明確に述べている。
「正当性を有する」とは何かについて、最高裁判所は当該具体的な個別案につき、「権利侵害者は当該特許損害賠償事件の訴訟期間中、3年余りもの長い間、一切、特許権者の特許に対し無効審判請求を提出して係争実用新案権の取消を主張してこなかった。結局、損害賠償訴訟で敗訴の判決が確定してからようやく無効審判請求を提出、し並びに原裁判所に再審の訴えを提出しており、当該権利侵害者の提出した無効審判が正当性を有するとは言いがたい。ゆえに、両者の間の損害賠償再審事件において訴訟手続を停止する必要はない」と判示した。