ニューズレター
商品パッケージ映像のウェブサイト上での複製使用
ウェブサイト上で商品のパッケージの映像を用いて商品販売広告とすることはごく普遍的な販促方法だが、映像著作権者の使用許諾を得ずに複製した場合、著作権侵害に該当するか否かは、実務上極めて大きな問題である。台湾高等裁判所2004年度上易字第927号刑事判決は「現在の情報技術の発達は、インターネットが一般的に広く利用され、被告がインターネット上で原告の録音著作物のパッケージを複製し、正規の録音著作物の販売を広告する以外に、購買意思を有する消費者がインターネット上で該録音著作物の内容を容易に理解できるようにした。これは原告らが録音著作物の『パッケージ』を印刷した当初の目的から逸脱するものではなく、また、利用したその結果もその撮影や美術著作自体の潜在的な市場と現在の価値に影響を及ぼすものではなく、今日の市場取引習慣に合致するものであり、著作権法に定める合理的使用に該当するので、著作権侵害を構成しない」と判示している。
商標侵害についても、類似の紛争があった。バイク若しくは自動車販売店、修理工場は通常各種の自動車又はバイクメーカーのマークを看板に掲げているが、そのマークの使用許諾を得ていない場合、商標又は役務標章の侵害を構成するか否か、実務上意見の分かれるところである。最高裁判所1985年度台上字第3864号刑事判決は、役務標章の使用を構成するわけではない、との見方を示した。その後いくつかの裁判所が同様の立場を採っている。
最高裁判所の前記判決における指摘によると、経済部中央標準局(智慧財産局の前身)はかつて1985年3月22日の台商字第204390号通達において、「役務標章は自己の営業内容を示すものであり、役務需要者は該標章によって、役務供給者及びその水準、信用を区別する。一般バイク店がメーカーのマークを掲げることは、掲げる者の主観的意思、若しくは一般の役務需要者の客観的認識を問わず、一種の役務又は修理項目の告知に過ぎず、役務供給者及びその水準、信用を示すものではないので、役務標章の使用には該当しない」との見解を示した。
しかし、最高裁判所は中央標準局の見解を完全に認めたわけではなく、メーカーのマークを看板に掲げることは、その主観的意思及び一般消費者の客観的認識において、一種の役務又は修理項目に過ぎないのか、それとも、そのマークによって役務供給者及びその水準、信用を区別しているのか、個別の事実に基づいて具体的に確認すべきだ、としている。
写真館又はデパートはその商品カタログや看板、展示スペースに商品ブランドのマークを使用しているが、使用許諾を得ていない場合、裁判所がどのような見解を採るのか(提供している商品の告知に過ぎず、商標の使用に当たらないと見なすか否か)は具体的なケースの判決を待たなければならない。